独自の「構造」を創り上げる4名の新進アーティストが登場。
企画展「困らせる糸鋸」が、六本木にあるクマ財団ギャラリーにて9月3日(土)から開催される。
クマ財団ギャラリーで企画展「困らせる糸鋸」が開催
公益財団法人クマ財団は「創造性が共鳴し合う、世の中に」をビジョンに、次世代のクリエイター育成に取り組んでいる。今回、六本木のクマ財団ギャラリーにて、企画展「困らせる糸鋸」を開催。
全てのものに存在する「構造」は物質としてのみならず、思考やプロセスにも存在する。今回はなんらかの「ルール」をもって、独自の「構造」を創り上げる作家に注目。
出展する4名は視覚的に、もしくは思考の中で「構造」に対しての試みを繰り返してきた。糸を使った立体作品、異素材をMIXさせた制作、解体・再構築による創作、版画や複製技法ーー異なったアプローチの4名が今回、あらためて「構造」と向き合い、「構造」をめぐる実験にチャレンジする。
4名の新進アーティスト
それぞれのアーティストの特徴と、そのアプローチ方法についても紹介したい。
主に版画や複製技法を用いる植田爽介氏は、デジタルとアナログを接続しながら、構図を俯瞰するような創作を実践するアーティストだ。
これまで、鑑賞者を巨視的な視点にさせるジオラマに見立てた小さな(仮想)都市から、空間全体を使った展示方法でミクロ化させる体感まで、鑑賞者の縮尺を揺さぶるインスタレーションを発表。主な受賞歴に、令和3年度文化庁新進芸術家海外研修生などがある。
1991年東京生まれの美術家・後藤宙氏は、意味やメッセージを排除しながらも、即興やライブなど偶発的な要素を取り入れ、糸を使った立体作品を軸に活動している。2015年 SICF16 スパイラル奨励賞、2016年 Tokyo Midtown Award グランプリなどの受賞歴も。
ペインターの渋谷七奈氏はすでにある構造を解体し、再構築するなど独自の手法で創作に取り組む。
彼女はこれまで、東北を拠点に作品を発表し、現在は世界の影響を受けながら揺らいでいく人間とその精神性について、獣や人体の変容という形で制作を行っている。
異なる素材を組み合わせて存在感や気配を漂わせ、独特の緊張や違和感を生み出す「家具と彫刻の間」を中心に制作する細井えみか氏。
現在は「既知とそうでないもの」を主なテーマに、鉄と異素材を組み合わせた彫刻作品や什器を制作。東京を中心に活動し、国内外にて展示発表を行っている。
新進気鋭のアーティストたちの作品から刺激をもらってみては。
困らせる糸鋸
会期:9月3日(土)~19日(月・祝)※火・水は休館
開館時間:12時〜19時
料金:無料
会場:クマ財団ギャラリー
所在地:東京都港区六本木7-21-24 THE MODULE roppongi206
公式Webページ:https://www.kuma-gallery.com/itonoco
(IKKI)