東京・日本橋にある「OBENTO Gallery」では、「自然とともに食事を楽しむ」をテーマにした企画展を8月31日(水)まで開催する。
本展は、持ち帰り弁当「Hotto Motto」と定食レストラン「やよい軒」を全国展開するプレナスが手がける。日本独特の弁当文化をのぞいてみては。
東京・日本橋「OBENTO Gallery」で弁当箱の豊かな世界を紹介
古くから“持ち運ぶ食事”として、行楽で欠かせない弁当。容器へのこだわりや、彩りと季節感を取り入れた弁当は日本ならではの文化だ。
プレナスの「OBENTO Gallery」は、そんな弁当の魅力を再発見できる、コンパクトかつオープンな拠点。弁当箱収集家より譲り受けた貴重なコレクションを中心に、さまざまなテーマで弁当箱から広がる豊かな世界を紹介している。
日本の四季と自然を楽しむ「野遊び」と「弁当」
日本では古来より、季節と自然を楽しむため「野遊び」をしていた。花見や納涼、月見や紅葉狩りといった生活行事に、季節の花、新緑、鳥の声の演出が加わり、食事をしながら楽しんでいた。
中国の伝説から生まれた星祭・七夕も「野遊び」の一つ
例えば、7月7日の「七夕」。七夕は、日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)」の信仰と、奈良時代に中国から伝わった牽牛・織女の星伝説が合わって生まれた星祭。
中国では、索餅(さくべい)と呼ばれる菓子を七夕の日に食べると、瘧(おこり:熱病)に罹らないと言う伝承があった。その索餅が索麺(さくめん)となり素麺(そうめん)となって、日本では七夕の日に素麺を食べるようになったと言われる。
江戸時代には将軍から庶民まで七夕には素麺を食べたそう。また、商家では七夕に素麺を得意先へ届ける習わしがあった。
時代と共に進化し、楽しみ方も変化してきた「弁当」
そんな「野遊び」の食事に欠かせなかったのは弁当。手提げが付いているのが特徴で、酒器や食事を入れる器が組み込まれた「提重」を持って出かける。季節と自然が食事に付加価値をつけ、人々の気分を高揚させる一役を担っていた。
時代は変わって「野遊び」は、ピクニックや現代でも流行しているキャンプと呼ばれるようになる。野外で食事を楽しむため、食器がセットになった弁当箱や加熱調理ができる携帯用炊飯器へと進化し、楽しみ方も変化してきた。時代が変わっても季節と自然を楽しむ「野遊び」を、弁当箱とともに紹介していく。
古来から伝わる、繊細で美しい日本人ならではの感性は、これからも繋いでいきたい文化の一つだ。
Plenus OBENTO Gallery
所在地:東京都中央区日本橋茅場町1丁目7番1号 日本橋弥生ビルディング1F
期間:開催中〜8月31日(水)
開館時間:9:00~18:30
休館日:土日、祝日 (第一土曜日は除く)
入場料:無料
特設ページ:https://www.plenus.co.jp/obentogallery/
(suzuki)