長野県・新潟県から成る奥信越「秋山郷」には、天明、天保の飢饉によって廃村となった村などの集落がある。
この飢饉を経てもなお、紡いできた採取豊かな食を通して、食べることの大切さを学び、感じて楽しむツアーを7月11日(月)から1泊2日で開催する。廃村となった地を巡り、当時の食を探しながら雪国に伝えられてきた食文化、マタギ文化に耳を傾けて味わう2日間だ。
秘境と言われる地で自然の美しさと厳しさを体験
豪雪地で日本の秘境100選に選ばれ、雪国の原風景が残る美しさが残る反面、冬の過酷な厳しさも垣間見ることができる秋山郷。かつてこの地で生き抜くためには食の保存という手段を使い越冬してきた。
しかし飢饉の際は天候不順により自然の恵みに頼れない年が続き、食料難によって村が消滅した。越冬を前に食料が足りない状況はどんな心境だったのだろうか。
「廃」を通してこの地に紡いできた食と、秋山で生きる人々の忍耐強さ、現代の豊かさを感じる旅を提供する。
2箇所の廃村を訪問してガイドによる当時の背景を解説
甘酒村跡
1833~1839年に起こった天保の飢饉において2軒の家が消滅し、廃村になったと伝えられている。周辺には当時から貴重な食料源だったと思われる栗の木が命を繋ぎ、実を落としている。
天明の飢饉は乗り越えたものの、天保の飢饉は乗り越えることができなった謎が残る。付近には当時の草津街道が残っており、草津温泉へ繋がっていた。
大秋山村跡
秋山郷の名前の源となった集落とされており、天明の飢饉により8軒の家が消滅し、廃村となったと伝えられている。山菜を見つけながら、当時の空気を感じて歩くこと15分。大秋山村の墓石に到着する。道と墓石の整備は地元の人により守られている。
食文化を味わいマタギ話に耳を傾ける
夕食はマタギの宿「出口屋」にて。秋山郷に生きることで教わってきた郷土料理を味わえる。
出口屋を営む福原さんは代々マタギとしても有名で、苗場山の登山ガイドまでこなす秋山郷の山を知り尽くした人物。自然に向き合い、山と呼吸を合わせ、山の恵みをいただきながらの暮らしで得た、食べることへの本質とマタギ話に耳を傾けて欲しい。
また、宿泊は周辺民宿へ分散、朝食付きとなる。
最終日は地層食堂によるランチを提供
2日目のランチは長野県栄村で暮らす「地層食堂」による秋山郷の食を味わえる。
地層食堂とは、土地の文化と土の上に成り立つ風土と変化、生き物との関わりを食を通して表現するフードユニットだ。食材が手元に届くまでのストーリーをコンセプトにしており、地域の食と美を地層のように表現する。
集落をも滅ぼしてしまう当時の食糧危機から時代の交差を通して、現代の豊かさを再考してみよう。
雪と山とともに ~廃を巡る食の旅~
開催場所:長野県・新潟県 奥信越「秋山郷」 ※新潟県越後湯沢駅発着
参加料金:大人1名36,000円(税込)
申込先HP:https://www.hapican.com/tour-genki
(hahci)