長野・栂池自然園で高山植物に出会う 「つがいけロープウェイ」のグリーンシーズン

雪に閉ざされる冬山では出会えない自然が、夏の山にはふんだんにある。

■「つがいけロープウェイ」では栂池自然園にアクセス

中部山岳国立公園・栂池自然園や北アルプス登山口へのアクセス『つがいけロープウェイ』は、グリーンシーズン営業を2021年6月12日より開始した。

栂池自然園は、長野県・新潟県・富山県・岐阜県にまたがる中部山岳国立公園内にあり、標高約1,900m、約100ヘクタール(1㎢)に及ぶ日本有数の高層湿原。雄大な白馬三山や展望湿原から日本三大雪渓「白馬大雪渓」を望むことができ、同時に様々な動植物の観察ができる。

「つがいけロープウェイ」は栂池自然園にアクセスするゴンドラリフトとロープウェイの総称で、中部山岳国立公園に手軽にアクセスできるため、ハイカーはもとより、写真愛好家にも人気。乗車中は、高原の爽やかな空気を感じながら北アルプス白馬三山や浅間山を望む事ができる絶景空中散歩を楽しめる。

■栂池自然園で出会える高山植物たち

水芭蕉湿原

栂池自然園で見られるミズバショウは本州で最も遅咲きと言われ、園内には数十万株が咲き誇る。栂池自然園入口にあるミズバショウ湿原は木道でバリアフリーとなっており、車いすでも散策が可能だ。

三荷葉(サンカヨウ)

6月~7月頃に出会える直径2㎝ほどの小さな純白の花を咲かせ、開花するとわずか1週間ほどで散ってしまう。雨に濡れると花びらが透明になる不思議な多年草で、冷涼な高地で湿度が高く、日本では極限られた地域でしか見る事ができない希少な高山植物。撮影するなら雨の日がおすすめだ。

栂池自然園で他にも、6月はミズバショウ、シラネアオイ、リュウキンカ、7月はクルマユリ、ヒオウギアヤメ、ニッコウキスゲなど、10月にかけて様々に移り変わっていく高山植物を観ることができる。

栂池自然園で出会えるのは高山植物だけではない。

アキアカネ、アサギマダラ、エルタテハ、カオジロトンボ、キベリタテハ、クジャクチョウ、ヒメアカタテハ、ルリボシヤンマなどの昆虫や、アオジ、ウグイス、ウソ、カヤクグリ、キジバト、キセキレイ、コガラ、ヒガラ、ミソサザイなどの鳥類にも出会える。

アサギマダラ

ウソ

また、アズマヒキガエル、イワナ、オコジョ、カモシカ、サンショウウオなどの動物に出会うチャンスもありそうだ。

オコジョ

7月17日〜9月26日までの間は、栂池自然園がもっと楽しめる教育プログラム「MIKKETA! (ミッケタ!)」を毎日開催。専属ガイドが、四季折々の顔を見せる栂池自然園の魅力を分かりやすく案内する。

60分のロングコースと、30分のショートコースがあり、1日に2回ずつ実施する。いずれも当日先着20名まで参加できて、参加料は無料だ。

熱い季節にしか出会えない高原の自然に親しむチャンス。清涼な空気を満喫する夏休みも楽しそうだ。

栂池自然園

所在地:長野県北安曇郡小谷村千国乙
営業期間:6月12日~10月24日
公式サイト:https://sizenen.otarimura.com/

つがいけロープウェイ:https://www.tsugaike.gr.jp/

(冨田格)