1300年の歴史を持つ「美濃和紙」を商い大きく発展した町「美濃」に新たなアートギャラリーが生まれた。
■ユネスコ無形文化遺産にアプローチしたアート
豪商の別邸を改修した古民家宿泊施設内「NIPPONIA 美濃 商家町」にオープンした現代美術ギャラリー「GALLERY COLLAGE」は、「ローカルの価値」を現代アートによって照らすための場所。
オープニングエキシビジョンとして、マカオ出身のシーズン・ラオ (劉善恆/Season Lao )による「美濃・余白」展が開催中(8月30日まで)。美濃の風景を取材し、ユネスコ無形文化遺産である「本美濃紙」にアプローチした、完成度の高い新作を発表した。
シーズン・ラオは現代社会の物質主義に対して、古来より伝わる東洋美術の「余白」へと意識を投げ込み、形而上学の考えにもとづいた作品を発表し続ける作家。彼の創造する、自然界における雪や雲などにある余白を感じさせる作品は、自然と人間との隔たりなき世界観を表現し、国内外で高く評価されている。
■アート泊まれる宿泊プランも
ギャラリーオープンに伴い、シーズン・ラオの作品と泊まれる「Season Lao 宿泊プラン」がスタート。期間限定で客室「満月」内に、シーズン・ラオのインスタレーション「氷蓮図」を含む複数の作品を展示している。
作品販売だけでなく、宿泊など複数の要素を組み合わせて、事業として継続できる「まちづくり」と「アート」の試みを実施中。
美濃からローカルとアートの新しい関係を発信する拠点の動向に注目したい。
NIPPONIA 美濃 商家町(にっぽにあ みのしょうかまち)
岐阜県美濃市本住町1912-1
併設施設:現代美術館【GALLERY COLLAGE】、和紙専門店【Washi-nary】
期間限定「満月」x 現代美術家Season Lao 宿泊プラン 【朝食付き】:https://www6.489pro.com/asp/489/Ex.asp?p=Ax9TBvFz41
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