コロナ不況、コロナ倒産が相次ぐ中、企業の評価としてESGスコアが注目されている。
ESGとは、 Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から、企業の将来性や持続性などを分析・評価する考え方だ。ベクトルと九州大学馬奈木俊介教授との共同研究によれば、ESGスコアが1ポイント上昇すると企業利益が14.86%、株価が13.37%上昇していることが分かった。
■コロナ禍における企業のESGスコア
そして今回ベクトルでは、さらに九州大学と共にドイツのESG評価会社「アラベスク」の「S-Ray」データの調査結果を分析し、コロナ禍(2020年1月〜2020年5月)における企業のESGスコアの運用について調査した。
すると、九州大学によるデータ分析から世界・EU・日本でもコロナ禍において株価の上昇が見られる事が分かった。さらには世界平均と日本の株価上昇率を比較した場合、日本の株価上昇率が世界平均より「2.62倍」と大きく上回った。
(※ グラフ内の数値は%)
ESGスコアの1ポイント上昇とした株価平均上昇比率グラフ
これは、日本企業のESGスコアに対する意識の高まりと、投資家側はコロナ禍においてもESGスコアを意識した経営をしている企業を投資対象として評価の軸にしていることが読み取れる。
馬奈木教授によれば、国際通貨基金が「世界経済はマイナス成長」と提示するほど、2020年前半の全世界における経済活動が沈む中で、短期での改善対策に注力しがちだが、ESG分野における経営面での注力が、結果的に株価への好影響を与えている点は、注目すべきとのこと。
コロナ禍だからこそ、ESGとは、 Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス=企業統治)を大切にしたい。
(Takako.S)