「こんぴらさん」の名前で慕われている「金刀比羅宮(ことひらぐう)」。一生に一度は行っておかなければ、と言うことでチャレンジすることにした。
岡山から電車に乗り、瀬戸大橋を渡る手前の駅「児島」で乗り換える。ここから橋を渡って一気に香川県の「宇多津」へ向かうのだが、電車の中から眺める瀬戸内海が気持ちいい。
15分程度で渡り切ってしまうのだが、途中の島、海峡を航行する船などが見られて非常に面白い。
JR琴平駅からぶらりと歩き、「琴電」の琴平駅を通るともう参道。きれいに整備されており、地元の酒蔵による酒造見学や香川県名物のうどんが食べられる店が並ぶ。
店が並ぶ参道はあっという間に終わり、いよいよ「こんぴらさん」名物の石段へ。遥か彼方に思われる本宮まで、なんと785段!
考えると気が萎えてしまうので、とにかく登る。老若男女、お遍路さんたちも本宮を目指して頑張っている。初めは元気に登っていた人たちも、やがて口数が少なくなってしまった。背中を照りつける太陽も暑い(夏場は特に注意)。
立派な大門にたどり着いた所で振り向くと、讃岐平野の特徴的な景色が広がっていた。
こんなにも登って来たのか、と感慨も深くなるが、実はここで約半分の365段(一年の日数と同じ!)。石段はまだまだ続くのだ。
大門を抜けると、長い参道と石段の組み合わせがしばらく続く。途中には資料館や歌碑などもあり、また一瞬本宮かと間違えてしまう「旭社」がある。ここは帰路に参拝していくのが習わしだ。
最後の階段が「御前四段坂」。「あと133段!」と書かれたプレートが励ましてくれる。ここを登り切れば、目の前が本宮だ。
本宮には多くの人が参詣しており、その人気がうかがわれる。江戸の頃から人々に慕われ、尊崇されていた姿が今でも見られるのだ。
絵馬殿をのぞいてみると、古いものから新しいものまで、船舶の写真を掲げた多くの絵馬が奉納されていた。航海安全を祈願したものがほとんどで、なかなか貴重な物もある。
展望台からの景色も素晴らしい!風が吹き抜けて、今までの疲れが一気に吹き飛んでしまう。
時間と体力がある人は、ここから「奥社」に向かうことも可能だ。
「参詣してみれば、その魅力がわかる」と言われている金刀比羅宮。石段を登るのはきついけれど、昔から多くの人々が目指して参詣していた理由に納得。
最後は785段を下りきって、地元民御用達のうどん屋でうどんを頂く。
岡山からちょっと足を伸ばして行ける、香川を満喫できる旅だった。
(田原昌)