嵯峨野トロッコ列車は、山陰本線の旧線を利用した観光列車。トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの7.3キロメートルを約25分で結ぶ。
列車は保津川沿いに進み、春は桜や目に鮮やかな新緑、夏は川を渡る涼風を感じ、秋は緑から紅色に染まる紅葉のグラデーション、冬は雪景色と、四季折々の美しさを満喫できる。
嵯峨野トロッコ列車は見るからに観光列車然としたクラシカルな車両にポップな色彩。アールデコ調の5両編成の客車の中に木製の椅子が並ぶ。
当日券のみ販売するオープン車両「ザ・リッチ号」の指定席のチケットが購入できれば、風や光を全身で受け保津峡の自然を肌で感じられる。前売り乗車券も当日の販売状況により「ザ・リッチ号」の席と交換できる。
全線に駅は4つ。
トロッコ嵯峨駅はJR山陰本線の嵯峨嵐山駅に隣接。入口横にはSL広場。
レンガ調の駅舎内にはトロッコ列車乗車券売場と保津川下り乗船券売場も。
トロッコ列車で亀岡へ向かい、亀岡から嵯峨まで16kmに及ぶ保津川下りで戻ってくると列車と急流下りの両方が楽しめるという訳だ。
館内にはSL展示や19世紀の技術展示のある「19世紀ホール」と日本最大級の鉄道ジオラマ「ジオラマ京都JAPAN」もある。
トロッコ嵐山駅はロケ地としても有名な竹林の小径の近く。トロッコ列車を降り観光人力車で嵐山の散策を楽しむ人も多いようだ。
保津川を渡る場所では運が良ければ保津川下りの船が見える。速度を落としてくれるのは観光列車ならでは。船の乗客も列車の乗客も互いに手を振って通り過ぎる。
トロッコ保津峡駅に到着するとホームにタヌキが並んでいる。景色と空気の良いハイキングコースとしても知られ、桜や新緑、紅葉の時期には多くのハイキング客でにぎわう。
トロッコ亀岡駅は保津川下りへのアクセスも便利。保津川でのラフティング体験、観光馬車による散策やレンタサイクルで観光も楽しめる。
瑞々しい若葉が木々の梢を包み込む季節、新緑萌えを楽しみにトロッコ列車の旅はいかだだろう。
運行期間は3月1日から12月29日。
運行期間中も運休の日があるので運行スケジュールは要確認。
(小椚萌香)