永観堂の正式名称は「聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺(しょうじゅらいごうさん むりょうじゅいん ぜんりんじ)」。第七世住持の永観律師にちなみ永観堂と呼ばれる。
重要文化財であるご本尊の阿弥陀如来立像は首を左に向けた国内唯一の逸品で「みかえりの阿弥陀」として親しまれる。
古来より「もみじの永観堂」とうたわれるほどの紅葉の名所でもある。
3000本ものイロハモミジやヤマモミジが池泉回遊式庭園や御影堂、多宝塔を彩り、紅葉は11月中旬からが見ごろ。
放生池には紅葉が映り込み格別の景色が楽しめる。
池の中ほどに弁天社は立ち入りができないが錦雲橋からの眺めが美しい。
もみじが色づき始めるころに伺ったのだが、グリーンからオレンジのグラデーションも趣き深い。
建物は高低差のある地形を生かして建立され長い渡り廊下でつながれる。
釈迦堂裏手にある臥龍廊を上がり永観堂で最も高い場所に建つ多宝塔に行くと京都市内が一望できる。
所蔵する文化遺産のうち、ご本尊を除く大半を国公立の博物館に寄託・収蔵されており通常時は「竹虎図」、「牡丹孔雀図」など襖絵の拝観となるが、「秋の寺宝展」では所蔵品の一部が公開される。
秋の寺宝展の期間は11月7日(火)から12月6日(水)。期間中の拝観料は一般1000円。
同期間夕刻よりライトアップが行われ、庭園・阿弥陀堂・画仙堂の拝観ができる。夜間拝観料は一般600円。昼とは違った幻想的な雰囲気が漂う夜の拝観もおすすめ。土日祝日の午後6時・7時・8時には雅楽の演奏もある。
所在地:京都市左京区永観堂町48
拝観時間:午前9時から午後5時(受付は午後4時まで)。
ライトアップ時間:午後5時30分から午後9時(受付は午後8時30分まで)
アクセス:
地下鉄東西線 蹴上駅から徒歩15分
市バス 南禅寺・永観堂道バス停から徒歩3分
(小椚萌香)