多くの人にとって身近な存在であるトゥインゴは、一方ではRR(リアエンジン・リアドライブ)を採用した極めて希少な4ドアコンパクト。
お洒落な内外装はもちろん、後ろから押されているような加速感や駆動から開放された前輪による上質なハンドリングなど、エンスー好みのドライビングフィールが魅力だ。
今回追加された「ゼン」には、AT感覚の6速EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)のほか、待望の5速MTも設定されている。
MTモデルはデビュー時に50台限定の「サンクS」が設定されたものの瞬く間に完売。
今回はいつでも買えるカタログモデルとしてラインナップされた。
なお、6速EDCは上級グレードの「インテンス」と同じ0.9L直3ターボエンジン(最高出力90ps/最大トルク135Nm)と、5速MTは自然吸気の1.0L直3エンジン(71ps/91Nm)とそれぞれ組み合わされる。
AT大国の日本とは異なり、トゥインゴの母国フランスではMTが主流。
女性から年配の方まで、当たり前のようにキビキビと街中を走らせている。
クルマを操る楽しさをより満喫したいのであれば、ぜひ5速MTを積極的に選択して、パリ気分に浸ってみるのも悪くないだろう。
ただし、1.0Lの自然吸気エンジンは軽やかに回るもののトルクは薄く、頻繁かつ巧みなシフトチェンジを求められ、交通の流れを先読みしたドライビングのセンスも問われる。
逆に考えれば腕の見せどころでもあり、より運転に集中できるというメリットもある。
装備類をインテンスと比較すると、エアコンやヘッドライトがオートからマニュアルに、15インチアロイホイールが鉄ホイール+ホイールキャップになったりと簡略化しているものの、いずれも「あれば便利だしカッコいい」けれど、絶対に必要なものでもない。
トゥインゴ ゼンは、ときに過剰な装備をまとうクルマのアンチテーゼ的な存在ともいえる、本質追求型のコンパクトカーだ。
■グレードおよび価格
トゥインゴ ゼン MT=171万円
トゥインゴ ゼン EDC=180万円
トゥインゴ インテンス=189万円
トゥインゴ インテンス キャンバストップ=199万円
(zlatan)
画像元:ルノー・ジャポン
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