道後温泉本館で温泉に浸かったあと喉を潤す地ビールの愉しみ

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チケット売り場に入浴料金の案内が掲示されている。面白いことに料金は一律ではなく利用する浴槽、休憩所、接待などによって4つのランクに分かれている。浴室は1階に「神の湯」と「霊(たま)の湯」があり、休憩所は2階席の広間と3階の個室。一番高い「霊の湯と3階個室」のチケットを購入した。

このチケットは貸し浴衣と貸しタオル付きで、ふたつの浴室を利用でき、3階の個室でお茶と坊っちゃん団子の接待が受けられる。

また、スタッフの解説付きで「又新殿(ゆうしんでん)」の観覧ができるというので入浴の前に見学コースに参加した。2階にある又新殿は日本で唯一、皇室専用に設えられた浴室施設だそうで、金箔に極彩色の枝菊の描かれたふすまや輪島塗りの建具など優雅な部屋や畳敷きの雪隠(せっちん=トイレ)、御影石の浴槽など見どころも多い。

1階に降り「霊の湯」に浸かり、浴衣に着替えて3階の個室へと向かう。あっさりと書いているが、館内の階段は昔ながらの急階段で、上り下りに一苦労だ。

純和風の畳の個室にはテーブルと座布団、風流にも団扇が置いてある。エアコンはなく、「坊っちゃんの時代」からの涼を取る方法、窓を開け放して風を通した。ここでしばらく団扇が活躍するのだった。

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坊っちゃん団子とお茶をいただき、欄干から中庭を眺めたり、同じ階にある「坊っちゃんの間」を見学したりしてゆるゆると過ごした。

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道後温泉本館を出ると向かいにブルワリー直送の道後麦酒がいただける「道後麦酒館」がお待ちかねだ。

地ビールの種類は、漱石ビール(スタウト)・マドンナビール(アルト)・坊ちゃんビール(ケルシュ)・のぼさんビール(ヴァイツェン)。

軽やかでフルーティな坊っちゃんビールをオーダーし、クゥーッと喉に流し込む。いやはや五臓六腑に染み渡る美味しさだ。

 

住所:愛媛県松山市道後湯之町5-6
電話:089-921-5141
道後温泉本館 入浴料金・営業時間:http://www.dogo.or.jp/pc/time/

(小椚萌香)