創業80年、おとな限定の宿「名泉鍵湯 奥津荘」

美作三湯(湯郷・湯原・奥津)の一つ、奥津温泉は江戸時代より開かれ、温泉街となってきたのは大正時代。吉井川沿いに風情のある老舗旅館や民宿が立ち並んでいる。大型旅館やホテルがないため温泉情緒をたっぷり感じられる。

源泉掛け流しの鍵湯で知られる奥津荘は吉井川沿いに建つ古い木造建築の宿。玄関の前に立つと創業80年の歴史が漂う伝統的な佇まいに圧倒される。

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館内に足を踏み入れると、美しい格子戸とシックでモダンなラウンジ。隅々まで手入れが行き届きこちらもシャンと背を伸ばしたくなる。チェックインの際、こちらでお薄とお菓子の接待がある。

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ラウンジの珈琲は鍵湯の源泉で淹れられるとのこと。

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鍵湯の名前の由来は『常に鍵を下して一般の入浴を禁じていた名湯があり土地の人々はこれを鍵湯と呼んでいた』そうだ。この鍵湯はラジウム・エナマチオンの含有量が鳥取の三朝温泉に次ぎ世界第2位である。

客室数は全8室、そのうち源泉掛け流し露天風呂付離れは2室。

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食事は食事処で用意されるが、離れに宿泊の場合は部屋食にすることができるのでゆっくりいただきたいなら離れの部屋を予約されるとよいだろう。

奥津および県内産の物にこだわった食材が使われた料理は全て料理長の手作り。高級食材を使っていないというが、安心で新鮮な食材、手の込んだ料理は心に沁みるおいしさだ。

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奥津荘の大浴場は温泉が足元から自噴する「鍵湯」のほか、立って入るほどの深さのある「立湯」が男女入れ替わりで、貸切湯はリニューアルされたモダンな貸切湯「泉の湯」、川の流れを窓の下に見ながら入れる貸切湯「川の湯」のふたつがある。どの湯処も特徴がはっきりしているので宿泊の際はぜひ全ての湯を楽しんでいただきたい。

さて、冒頭に記載した奥津渓は宿から車でなら10分もあれば到着する。「東洋一の甌穴群」もあり、マイナスイオンも降り注ぐ。

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吉井川沿いに遊歩道が整備されているので車を降りて立ち寄ってはいかがだろう。大きな桃が流れてくることもあるやなしや……。

住所:岡山県苫田郡鏡野町奥津48
電話:0868-52-0021
名泉鍵湯 奥津荘:http://okutsuso.com/#

(小椚 萌香)