昨年、165万台のセールスを記録した躍進するメルセデスを総括

好調の要因はどこにあるのか? 90年代に150万台規模へ成長させることを宣言したダイムラー社は、手始めにエントリーモデルのCクラスを設定。この伏線は日本で「小ベンツ」と呼ばれた190シリーズの成功にあるが、近年、しっかりと定着したプレミアムコンパクトという概念が誕生した瞬間だったように思われる。

プレミアムブランドとして君臨していたメルセデス・ベンツが造る手を伸ばせば何とか届くニューモデルの誕生は、クラス意識の薄いマーケットであればあるほど、販売台数を押し上げた。イメージ的には、ボトムアップよりトップダウン。アパレルでいえばセカンドラインの売上が伸びる寸法だ。

14C1137_024

現行モデルのプレミアムコンパクトに属するモデルはA/B/CLA/GLAの4クラス。2015年はCLAシューティングブレークなど、さらにバリエーションを拡大する。この4クラスで40万台も夢ではないだろう。スーパーマリオブラザーズをキャラクターに採用した大胆な戦略も、従来の顧客よりも若いターゲット層の獲得に成功。

0529_SM05

昨年は頂点に君臨するSクラス、新技術の導入で大幅に商品力を増したCクラスの投入で勢いを増した。色彩を欠いていたミドルレンジのEクラスは、ロングホイールベース化で顧客ニーズに応えた。また2015年は新型GLKを筆頭に、SUV系のニューモデルが販売台数を牽引することが予想される。

注目したいのはユーザーとの直接コミュニケーションを可能とする『Mercedes me』の新展開だ。これまではオンライン上の顧客管理システム(登録すると各種情報やメンテナンス時期のお知らせなどが届く)といった色彩が強く感じられたものだが、日本にある『メルセデス・ベンツ コネクション』のような役割りを担う拠点としてグローバル規模で大都市に展開するという。

ラグジュアリーブランドの店舗やカーディーラーにありがちな敷居の高さを廃し、カフェやイベントスペースに最新モデルが展示されている、という形態は日本から発信された新しいスタイルだが、従来の顧客からクラスレスなモバイルゲーム世代まで、狙いどおりの訴求力を発揮したようだ。

メルセデス・ベンツ日本公式サイト

【関連記事】

オフロードモンスターや新型Cクラスが凄すぎた!【メルセデス・ベンツ 2014年のまとめ・前編】

メルセデス・ベンツ Cクラスは今年も熱い! ディーゼル&プラグインハイブリッド導入へ

メルセデス・ベンツGLクラス、初のディーゼル&右ハンドル仕様を追加発売

史上最高を記録したメルセデスの2015年は「SUVの年」

レクサスの高性能スポーツセダン「GS F」の最新映像をチェック!