一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)が3月7日に2月の電話契約数を発表した。その結果、純増数(新規契約数から解約数を引いた数)でNTTドコモが2ヶ月ぶりに首位に返り咲いた。
大手3社の増加数はNTTドコモが26万7900件増、トップから2位に下がったソフトバンクモバイルが26万6000件増、3位のKDDI auは22万0500件増だった。
NTTドコモが首位に返り咲いた要因は、iPhoneへの機種変更割引サービスや学生向け割引サービス「ドコモの学割2014」と見られる。その結果、若者層の獲得数が伸びた。
一方MNP(番号持ち運び制度)を利用した転入出では順位が異なり1位はauの4万1600件転入超、2位はソフトバンクの9000件転入超、ドコモだけは転出超で4万8100件転出超となっている。
しかしドコモの転出超はこれまでより低水準となっているため、顧客流出をなんとか食い止め始めたことが分かる。
それでもドコモでは今期の営業利益が目標達成には至らないと予想しているようだ。その理由は、予想以上の競争激化に巻き込まれた結果、2月から3月にかけての販売促進費用を例年以上に積み増ししたためだ。
また、iPhoneを3社とも取り扱っているなど端末での差別化が難しい分、キャッシュバックなどの割引競争になってしまっている。利益を圧迫する販売促進費用だが、止めたところから戦線離脱を余儀なくされる怖さもあるため3社とも止められない。
そして現在、入学、卒業、就職の時期となり、まさに年間最大の商戦期を迎えている。各社の顧客争奪戦は、さらにヒートアップしている。