福岡県筑紫野市の二日市温泉は万葉集にも詠われ、開湯1350年の歴史を誇る。
明治以降は夏目漱石、高濱虚子ら文人墨客や皇室の方々も訪れた由緒ある温泉地だ。
今回は150年の歴史と6500坪の敷地に自家泉源3本を持つ老舗旅館「大丸別荘」を紹介しよう。
駐車場に車を入れるとすぐに日傘を挿しかけてくれるスタッフ、荷物を運ぶスタッフが玄関から現れスムーズに入館。
長い歴史を感じさせるロビーラウンジでドリンクをいただきながら寛げる。
「大正亭」、「平安亭」、「昭和亭」という3つの宿泊棟があり、客室は全41室。宿泊棟に囲まれるように日本庭園がたたずむ。池にはわら葺き屋根の筑紫橋が架かり、風情のある景色。
館内には著名人が残した色紙を屏風にして飾っている。
宿泊した「大正亭」は昭和天皇も宿泊された純木造本格的書院造の建物。
部屋は10室、主寝室の和室のほかリビングや次の間などそれぞれに趣向を凝らした造り。建具やランプ、窓枠など大正浪漫を感じさせる繊細な模様が美しい。
大浴場「次田(すいた)の湯」は男女ともに100坪という広さ。岩風呂形式で底に玉石が敷き詰められた一角がある。広々とした浴槽に浸かって窓から見える緑に癒される気持ちのよい浴場だ。
大正亭専用の「芦の湯」、「水心の湯」も用意されている。空いていれば24時間自由に入浴できる貸切湯だ。
2階からでも廊下のランプの点灯によって、空いているかどうか分かるようになっている。
食事は部屋の隣に設えられた食事専用の別室にて。
献立は八寸、刺身、吸い物と続く会席。純和風かと思えば、トマトのポタージュやジュレ仕立てのものもあり、新しい風も取り込んでいる。
4月の熊本地震により減少した九州の観光客回復に向け、政府は「九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度」を創設した。
大丸別荘の宿泊代も「九州ふっこう割 ふくおか宿泊券」が利用でき、九州旅行を検討されている方は利用してはいかがだろう。
住所:福岡県筑紫野市湯町1丁目20-1
電話:092-924-3939
サイト:http://www.daimarubesso.com/index.html
(小椚萌香)