国産い草家具を世界へ。家具メーカーアダル社が「ミラノサローネ」で新作発表

業務用家具メーカーのアダル社は、4月8日(火)から4月13日(日)にかけて開催される世界最大級の家具見本市「Salone del Mobile.Milano/ミラノサローネ国際家具見本市」(以下、ミラノサローネ)に出展する。

今回の出展では、国産い草を使用した3つの新作を発表し、日本の伝統素材を活かしたサステナブルなデザインを世界に向けて発信する。

世界最大級の家具見本市に挑む

「ミラノサローネ」は、世界3大家具見本市の中でも最大規模を誇り、デザイナーや建築家、バイヤーなど30万人以上が訪れる国際的なイベントだ。毎年、世界中から約2000のブランドが出展するが、日本企業の出展はわずか0.4%と限られている。

アダル社は2019年から、市街地で行われる「フォーリサローネ」に継続的に出展し、2024年には初めてミラノサローネ本会場への出展を果たした。そして今年も、日本の伝統的な素材である“い草”を用いたサステナブルブランド「Look into Nature」を披露する。

2025年のテーマ「うねり(Weavers)」

今年のコレクションテーマは「うねり(Weavers)」。これは「自然は人の一部ではなく、人は自然の一部である」という日本独自の自然観を反映したものだ。い草の特性を活かした曲線的なデザインを採用し、織元や家具職人との協力によって、伝統と革新を融合させた作品を生み出している。今回出展されるものをいくつか紹介しよう。

チェアやテーブルアイテム、壁面装飾を出展

着物の上着をモチーフにしたチェア「HAORI」。包み込むようなデザインと開放感を両立し、空間の中に自然な流れを作り出す。

HAORI

HAORI

日本庭園の「見立て」の概念を取り入れ、インテリアとエクステリアの境界を曖昧にするテーブル「MONN」。再生可能素材を使用し、サステナビリティへの新たなアプローチを提案する。

MONN

MONN

壁を流れる滝の様子をモチーフにした壁面装飾「NAGARE」。い草を壁面に使うことで立体感や模様を作り出した斬新なアイテムだ。

NAGARE

NAGARE

世界へ広がる「Look into Nature」

「Look into Nature」は、日本のい草産業が直面する課題に向き合いながら、世界に誇れるデザインを発信するプロジェクトだ。かつて日本国内で盛んだったい草産業は、この30年で10分の1以下に縮小している。アダル社はい草生産者の「伝統工芸品としてではなく、産業としてあり続けたい」という想いに共感し、い草を現代の生活空間に適応させる試みを続けている。

2019年の「フオーリサローネ」で初出展、2023年にはブレラ地区での展示を成功させ、2024年にはiFデザインアワード2024を受賞。今回の「ミラノサローネ」でも、日本の美意識とサステナビリティを兼ね備えた家具を世界に向けて提案する。

同社は、い草という伝統素材を現代のデザインと融合させることで、新たな価値を生み出し続けている。今回の「ミラノサローネ」を通じて、い草家具の可能性をさらに広げ、国際市場における日本デザインのプレゼンスを高めていくだろう。

Salone del Mobile.Milano/ミラノサローネ国際家具見本市
会期:4月8日(火)〜4月13日(日)
会場:ロー・フィエラミラノ(Fiera Milano, Rho)
アダル社出展ブース:ホール14E-30
所在地:Strada statale Sempione, 28 20017 Rho MI

アダル社公式サイト:https://www.adal.co.jp/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000068123.html

(Fumiya Maki)