日本ではお馴染みの黄金色をしたビール「ピルスナー」の元祖がチェコである事をご存じだろうか。
首都のプラハから列車に乗って1時間半、その発祥の地「Pilzeň(ピルゼン)」へやって来た。ピルスナーというのは「ピルゼンの」というドイツ語であり、この地が発祥である事を指している。
駅から歩いて間もなくすると、麦汁の甘い香りが漂ってきた。「これぞビールの街!」と、ビール好きの心が踊ってしまうような嬉しい香りだ。
やがて石造りの立派な門が出迎えてくれる。この門こそがピルスナービールの元祖「Pilsner Urquell(ピルスナーウルケル)」の工場への入り口だ。
門には1842年と記されている。ドイツ人醸造技師、グロールによって今までになかった黄金色のビールがこの世に誕生した年だ。
下面発酵ビールの一種であるが、黄金色になったのはチェコも日本と同じ軟水だからという理由もあるのだそうだ。その色の美しさと味に、世界が沸き立ったという。
それでは工場見学ツアーに参加してみよう。ピルスナービールの歴史や製法を、資料や映像などを使って解説してくれる。
すっかりオートメーション化された瓶詰め工程なども見せてもらったが、仕込みのタンクは今でもメンテナンスが面倒な銅釜を使用していた。
見た事もないような巨大な銅釜に驚く。