海の生物にロマンを感じる人は行ってみよう。
神戸市の「AQUARIUM×ART átoa(アトア)」では、京都府宮津市にあった「丹後魚っ知館」こと「宮津エネルギー研究所水族館」の閉館に際し譲り受けた標本類を期間限定で展示中だ。「丹後魚っ知館~受け継がれし標本展~」と銘打った展示は、1月28日(日)までのアトア3階の「FOYER」にて観覧できる。
譲り受けた標本類を「アトア」で期間限定展示
「アトア」に標本類を譲渡した「丹後魚っ知館」は1989年に開館した水族館。34年間にわたり地域とともに歩み、多くの人々から愛されてきたが、今年の5月に惜しまれつつも閉館した。
水族館の基本的な役割のひとつに「資料の収集」がある。「丹後魚っ知館」においても、34年間の開館期間において収集(保存)された標本類を所蔵していた。
一方、2021年開業の「アトア」には、まだまだ標本類の所蔵品が多くない。今回「丹後魚っ知館」の閉館にあたり、その所蔵標本類を今後「アトア」での展示に活用したいと申し出たことから譲渡につながったという。
譲渡されたのは、ゴマフアザラシ等を含む骨格標本11点と、サメハダホウズキイカ等を含む液浸標本21点、タカアシガニ等を含む乾燥標本が16点、そしてキングペンギン等を含むはく製が6点だ。
標本が生まれた背景も楽しめる
今回の標本展では受け継いだ標本類を展示するだけでなく、「丹後魚っ知館」での標本の展示経緯や、標本にまつわるコラムなども一緒に紹介。
譲り受けた標本類の中には、例えば「丹後魚っ知館」で長く飼育されていた個体を使い、スタッフ自ら作成した標本もある。それはゴマフアザラシ「カン太」の骨格標本で、専門家の指導を受けながら2年かけて飼育員が制作したものだ。標本が生まれた様々な経緯もともに楽しもう。
「丹後魚っ知館」スタッフからのコメントも
同展について「丹後魚っ知館」で実際に働いていたスタッフもコメントしているので、最後に紹介したい。
吉田史子館長
「丹後魚っ知館」の吉田史子館長は以下のようにコメントしている。
「本標本展を企画されたこと、また実際に企画展を見て、思いを繋いでいただけたのだと実感しました。それぞれの標本に飼育スタッフの作成時のエピソード等が添えられているのも嬉しく思いました。今回、当館の水族館スタッフがそれぞれの道に分かれる前に職員皆で引き取っていただいた標本展示を見学に来れたことも、宮津の水族館に関わる思い出としてとても嬉しいものとなりました。」
標本作成を手掛けた飼育員
また、標本を作ったスタッフは以下のようにコメント。
「自分が作った解説パネルも展示されていて、少し照れるというか恥ずかしい気持ちもありますが、キレイに展示してもらえて嬉しいです。」
地元で過去に「丹後魚っ知館」に親しんでいた人も、観光で京都を訪れる人も、「アトア」で開催される同展に行ってみよう。
丹後魚っ知館~受け継がれし標本展~
会期:開催中~2024年1月28日(日)
会場:アトア3階「FOYER」
所在地:兵庫県神戸市中央区新港町7番2号 神戸ポートミュージアム2F~4F
観覧料:無料
アトア 公式サイト:https://atoa-kobe.jp/
※観覧料は無料だが、別途「アトア」入場料が必要
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000084116.html
(Mayu)