今年3月のジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアされた『Sクラス・クーペ』がついに発表、日本でも受注が開始された。セダンのSクラスと並ぶメルセデス・ベンツのフラッグシップであり、事実上、CLクラスの後継モデルである。
新世代メルセデスの開発コンセプト『モダンラグジュアリー&インテリジェンス』に基づくエレガンスとダイナミズムに満ちたデザイン、カメラとレーダーで得た情報をコントロールユニットで解析し安全運転支援システムを制御するなど、メルセデスブランドの先進技術が詰め込まれている点が特徴だ。
スポーツカーの王道であるロングノーズ&ショートデッキのフォルムにも様々なアイディアが見受けられる。スワロフスキーを配したきらびやかなヘッドライト、流れるようなルーフラインとピラーレスのサイドウインド、切れ長のリアレンズは従来のメルセデスとは一線を画す印象を与える。
技術的なトピックは車体の制御技術だ。これまでも高評価を得ていたエアサスペンションはさらに進化し、カメラとレーダーで道路状況を把握。コーナリング時には外輪のサスペンションを伸ばし、内輪は逆にサスペンションを縮め、不快なロールを制御する。
モデル構成は3つ。最高出力455ps、最大トルク700Nmを発生する4.7リッターV型8気筒ターボエンジンを搭載する『S550 4マチック(1,690万円)』、最高出力585ps、最大トルク900Nmを発生する5.5リッターV型8気筒ターボエンジンを搭載する『S63 AMG 4マチック(2,400万円)』、最高出力630ps、最大トルク1,000Nmを発生する6リッターV型12気筒ターボエンジンを搭載する『S65 AMG(3,120万円)』を設定。
また、恒例のローンチモデルとして内外装を特別仕様とした『エディション1』が、『S550 4マチック』と『S63 AMG 4マチック』に設定される。価格は前者が1,910万円、後者が2,470万円だ。
ボディサイズは、全長5,027mm×全幅1,899mm×全高1,411mm(S550 4マチック)。ちなみにセダンのS400ハイブリッドが全長5,120 mm×全幅1,900mm×全高1,495mmだが、クーペの特徴はセダンと比較して90mm短い2,945mmのホイールベースにある。
大人のラグジュアリークーペをラインナップに据えるメルセデスは、やはり❝わかっているな❞と感じさせてくれるブランドなのである。