オフロードの走破性能と乗用車顔負けのオンロード性能を兼ね備えた『X5』の存在は、プレミアムSUVの新たなベンチマークとして確固たるポジションを築き上げた。2000年のデビューから累計販売台数は130万台を超える成功を収めているが、Xシリーズのラインナップが拡大する現在も『X5』がその中心に位置することに変わりはない。
3代目となる現行モデルは昨年デビューしたばかりだが、早くも標準装備を充実させた。具体的には、『ドライビング・アシスト・プラス(前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、アクティブクルーズコントロール、レーンディパーチャー・ウォーニング)』の標準化である。こうしたドライバー支援システムは、今やプレミアムカーには欠かせない装備なのだ。
また、ETC車載機システムにITSスポット(DSRC)対応機能を追加。より多くの道路情報を収集し、精度の高いナビゲーションを実現する。
『X5』のラインナップは、3リッター直列6気筒ターボのディーゼル(最高出力258ps、最大トルク560Nm)とガソリン(最高出力306ps、最大トルク400Nm)、フラッグシップにガソリンの4.4リッターV型8気筒ターボ(最高出力450ps、最大トルク650Nm)という3機種のパワーユニットを搭載し10グレードを展開。駆動系はすべて全輪駆動のXドライブだ。
ボディサイズは、全長4,910mm×全幅1,940mm×全高1,760mm。日本の道路環境を考慮すれば5mを切る全長は使い勝手がいいだろう。すでに開発が公言されている『X7』は北米マーケットが中心なのでさらに大型化する予定だ。
『X5』の価格は842万円~1,243万円。エントリーモデルならガソリンよりディーゼルの方が1万円安く設定されるなど、その選択肢は広い。
<九島辰也>