パリジェンヌ(Parisienne)。直訳すれば「パリに生まれ育った女性」ということなのですが、オシャレの代名詞として女性誌などのキャッチを飾ることが多いせいか、単純な意味よりも美しい響きとして耳に入ってくるのではないでしょうか。
今回はモーターショーの取材でパリを訪れたのですが、個人的にはショーを彩るコンパニオンよりも、パリの街角で見かける女性たちに心を奪われてしまいます。また、ミニやチンクエチェント(フィアット500)といったコンパクトカーを颯爽と乗りこなしている女性が多いことにも、ちょっとした驚きを覚えました。
パリ在住の日本人女性に聞いてみると、「パリの女性は一言でいえば、強い。自立しているし、自分らしく自然体でいることが芯から染みついていますね。ファッションでいえば、自分に似合うものをよく知っている。クルマの運転をする女性も確かに多いです。それも自立心の表れではないでしょうか。運転もアグレッシブというか、意外と荒々しいかもしれません(笑)」
フランスでは「結婚をしないまま家族の形態を続ける」ことが社会的にも法律的にも認められていますが、そんな背景も彼女たちの自立心を目覚めさせているのかもしれません。
そして、パリジェンヌをよくよく観察していると、とにかく立ち居振る舞いが美しいことに気づきます。スマホをいじっていても、タバコを吹かしていても、とにかく絵になるのです。遺伝的に腰高という違いもありますが、姿勢よくスッと立って、腰からススッと歩いたり走ったりしているのです。
姿勢よく振る舞う。これは意識すれば誰でもすぐにできることだし、姿勢がよくなれば目線も上がって、気持ちも前向きになれるかもしれません。もちろん女性だけではなく、男性にもそれは言えること。ついつい猫背になってしまう自分を反省しつつ、背筋を伸ばしながらこの原稿を書いてみました。
そうそう、パリジャン(Parisien・パリに生まれ育った男性)も、パリジェンヌに負けず劣らずオシャレな人が多いです。帰国したら、真っ先にブラックジーンズとグレーのシャツ(無地に見えるくらいの柄)を買おうと思ったり…。
(zlatan)