マセラティ100周年を大々的に祝う世界的な式典「マセラティ100周年を祝う-大集会-」が9月18日よりイタリア・モデナにてスタートを迎えた。
前日のプレイベントと3日間の本イベント、合わせて4日間に渡り盛大に行われた世界最大の記念イベントは9月17日のプレイベントからスタート。マセラティ3兄弟が修理工場を開いたペポロ通りにあったマセラティ最初のワークショップを訪ねた。近くにあるネプチューンの噴水では、マセラティオーナーたちが愛車と共に海の神の像で、記念撮影も楽しめた。このネプチューンが手に持つトライデントは、マセラティのエンブレムのインスピレーションの源となったものである。
9月18日(木)に正式にモデナで開会を迎えた「マセラティ100周年を祝う-大集会-」は、モデナの中心部にある、グランデ広場、マッチィーニ広場、エミリア通りで参加者たちが集結した後、夕方に、チーノ メノッティ通りにあるマセラッティ工場までパレード。この本社工場は、赤レンガの歴史的な建造物が今なお工場として使用されるマセラティのヒストリーを語る上で欠かせないスポットのひとつ。現在もここからは最新のマセラティ グラントゥーリズモやグランカブリオ、生産協力を行っているアルファのスペシャルモデル、アルファロメオ4Cが毎日出荷されており、最新設備を揃える工場として機能している。
同日午後、参加者たちはエンツォ・フェラーリ・ミュージアムにも立ち寄っている。ここでは、2015年の1月まで特別展示「マセラティ100-純粋なるイタリアン ラグジュアリー スポーツの世紀」が開催中だ。マセラティの歴史的価値のあるモデルが揃えられた展示は過去最大規模となっており、まさにマセラティファンには見逃せない内容となっている。
二日目の9月19日(金)は、マセラティが世界最速記録の樹立を目指し、レーシングカー生産を行ったゆかりの地を訪ねるラリーである。早朝、トリノに向けてオーナーたちは出発。途中、パゴニン・ボルザッキーニと、彼が駆った16気筒のマセラティV4に敬意を表してクレモナ近郊のサン マルティーノ デル ラーゴのサーキットに立ち寄り、サーキットセクションとレギュラリティ・ラリーを満喫した。ボルザッキーニは、1929年9月28日、このクレモナで行われたフライング10㎞レースで平均速度246.069㎞/hの世界記録を樹立したイタリア人ドライバーである。この記録は当時交通量が少なかった一般道を一時的に閉鎖し、部分的に未舗装の区間を含む直線で樹立されたもの。現在は、この区間は一般道路の一部となっており、誰もが自由に通行できる。今回のイベントの参加者たちも実際に、このエリアを通行することで、愛車に息づくマセラティのレーシングスピリッツを感じ取ったようだ。この日のゴールはトリノのカステッロ広場。参加者たちは愛車たちを並べ、マセラティとのトリノの晩を楽しんだ。
最終日となる9月20日(土)は、午前中に最後のラリーセクションを堪能したのち、トリノのグルリアスコにあるアッヴ・ジョヴァンニ・アニェッリ工場を見学。ここでは、クワトロポルテとギブリが生産されている。最後を締めくくるのは、トリノ中心部のサンカルロ広場で開催されたコンクールデレガンス。年式やタイプによって並べなれた姿はまさに圧巻。マセラティファンには感動の瞬間であったであろう。充実の内容のマセラティ100周年を記念した世界最大のミーティングイベントはこれにより幕を閉じたのである。