この春、長崎市内に和華蘭文化を受け継ぐ日本家屋のオーベルジュ「陶々亭」が開業

今春、長崎県長崎市十人町に、オーベルジュ「陶々亭(とうとうてい)」が開業する。

築100年を超える日本家屋で「和華蘭料理」を味わい、長崎の歴史を感じながら滞在できるオーベルジュの誕生だ。

長崎で中華料亭として人々に愛された「陶々亭」

長崎で唯一の中華料亭だった「陶々亭」は、2020年に一度その歴史に幕を閉じている。

江戸時代初期の1689年、長崎は中国との貿易の最盛期にあった。日本に留まっていた約1万人の中国人が住めるように、館内町には多くの唐人屋敷が建てられ、最終的に全ての中国人を移住させたという。

その結果、中国人と長崎市民の交流が深まり、龍踊りや中華料理が市民に引き継がれていくことになる。「陶々亭」は、その館内町の隣町、十人町にある。建物は明治末期に建てられた和風建築で、1949年頃「中華料亭 陶々亭」がオープンしている。

今回はそのルーツを受け継ぎ、長崎ならではの「和華蘭料理」をエッセンスに加えた上質な料理と、歴史ある街とともに明治より歩んできた日本家屋での宿泊体験が堪能できるオーベルジュとして生まれ変わる。

長崎の息吹を感じながら滞在できるオーベルジュ

「陶々亭」がある十人町は、グラバー園や大浦天主堂のある南山手地区と、江戸時代を通じて日本の玄関口であった出島地区の間に位置する。

風情ある石畳の坂道を進んだ先に佇む築100年を超える日本家屋は1908年竣工で、地上2階+別棟の造りとなっている。

当時の風情を残しながら、丁寧にリノベーションを施し、内装は純和風建築と自然になじむ良質なヨーロッパ家具やアートを配置。全てのゲストが快適に滞在できるよう、そのしつらえを整えた。

館内施設は、レストラン「HAJIME(はじめ)」、全3室の客室、フロント、風呂、トイレからなる。

そして、オーベルジュ滞在のクライマックスとして用意される「和華蘭料理」は、長崎の食材・酒・器など、土地の風土に培われた素材を使用し、長く根付く料理を創造する。

ちなみに「和華蘭」とは、江戸時代に長崎だけが中国・オランダと交易し、様々な人々と文化が上陸してきた時代に則った名前。和は日本、華は中国、蘭はオランダ・ポルトガルなどの西洋を指す。

歴史ある長崎の文化を醸成してきた中心の地で、その息吹を感じながらの唯一無二の滞在が楽しめる「陶々亭」。今からそのオープンが待ち遠しい。

オーベルジュ 陶々亭
所在地:長崎県長崎市十人町9-4
アクセス:長崎空港から車で40分、長崎駅から車で10分、長崎港ターミナルから車で8分、新地中華街駅(最寄り駅)から徒歩7分
公式サイト:https://www.tototei.jp

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000117461.html

(高野晃彰)