アートを活用した教育プログラムと関連コンサルティングを行う「ダヴィンチ研究所」が、レオナルド・ダ・ヴィンチについてスピーディーに理解できる、3DVR美術展「ダ・ヴィンチの5つの部屋」を制作。2月14日(火)に、無料コンテンツとしてWeb上で公開した。
5つの部屋では、再現した彼の絵画作品や蔵書などが見られる。部屋を訪ねて、謎に包まれた彼の生涯をひも解いてみては。
ダ・ヴィンチの人生を5つの時期に分け各時期の部屋を再現
同コンテンツは、ダ・ヴィンチの人生を5つの時期に分け、各時期に住んでいた部屋を再現。部屋の中は360度自由に見回せ、そこに設置されたアイコンをクリックすると、彼の「全絵画作品」「素描」「蔵書」などを閲覧可能だ。
同コンテンツでは、再構築した若き日の容姿も見ることができる。また、部屋に流れるルネッサンス時代の流麗な音楽が、時間旅行をしているかのような感覚を与えてくれる。
1.若かりし頃を再現した「最初のフィレンツェ」
「最初のフィレンツェ」は、彼がアンドレア・デル・ヴェロッキオのもとから独立した直後、24歳前後の頃を再現した部屋だ。
この部屋では、彼の単独デビュー作と言われる「受胎告知」や、生涯完成しなかったと言われる2作品「聖ヒエロニムス」と「東方三博士 (マギ) の礼拝」などを閲覧可能。また、机の上にはダンテ・アリギエーリの叙事詩「神曲」などがあり、多方面に開眼した時期であることも伺える。
2.生涯で最も生産的な時期「最初のミラノ」
この部屋では、当時ミラノを統治していたルドヴィーコ・スフォルツァに仕えた時期を再現。名画「最後の晩餐」の習作や有名な「ウィトルウィウス的人体像」を閲覧できる。
また、建築学・文学・医学・哲学など多彩なジャンルの書籍も紹介。『イソップ寓話』や『デカメロン』などを机に積み、彼はこちらを見つめている。
3.「モナ・リザ」に着手した時期「2回目のフィレンツェ」
この部屋では、ミラノがルイ12世に占拠されたため、フィレンツェに戻った時期を再現。名画「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」や、彼の生涯で最も重要とも言える「アンギアーリの戦い」の習作などが見られる。
このほか、壁には緻密な地図も貼られており、地図制作を含めた軍事エンジニアとしての一面が垣間見える。
4.ミラノの邸宅に落ち着いた時期「2回目のミラノ」
この部屋では、ミラノ総督からの誘いを受けてフィレンツェを後にした頃を再現。彼の制作意欲は「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」や「洗礼者ヨハネ」などの完成に向けられ、それを極めるためか、人体解剖図制作に没頭していたという。壁に貼られた同解剖図も閲覧できる。
5.晩年期「アンボワーズ」
この部屋では、フランスの宮廷・アンボワーズ城近くのクルー城で過ごした晩年期を再現。未完である「聖アンナと聖母子」のための習作として描かれた騎馬像・小動物・大洪水などのドローイングを紹介している。
彼はここで、67年の生涯に幕を下ろした。
ダ・ヴィンチの知性あふれる小宇宙を再現した5つの部屋に、彼の偉大なる「創造」と「発見」の原点を知るヒントがあるかもしれない。なお、同コンテンツの概要はYouTubeでも公開中だ。
3DVR美術展「ダ・ヴィンチの5つの部屋」
Webページ:https://davinci-inst.org/rooms/
紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=FhzC6moIZog
(Higuchi)