町田市立国際版画美術館にて180点の版画・写真・資料が見られる「版画×写真 1839-1900」展開催中

版画と写真、さらにカメラや撮影機材をはじめとする関連資料紹介する展示会、「版画×写真 1839-1900」展を町田市立国際版画美術館にて12月11日(日)まで開催する。

世界を大きく変えた写真に関する興味深い資料も見られる同展に訪れてみてはどうだろう。

オノレ・ドーミエ《写真術を芸術の高みにまでひきあげるナダール》、1862年、リトグラフ、国立西洋美術館

オノレ・ドーミエ《写真術を芸術の高みにまでひきあげるナダール》、1862年、リトグラフ、国立西洋美術館

補い合う関係でもあった版画と写真

19世紀に登場した写真は様々な変化をもたらした。とりわけ大きな影響を受けたのが、イメージを写し伝えるという同じ役割を担っていた版画。

この時代の版画と写真の関係は、これまで対立ばかりが語られてきたが、技術的に未発達だった初期の写真は版画に支えられる部分も多く、両者は補い合う関係でもあったという。

写真技術が急速に発展する中で、両者は競いあい多彩な表現を生み出していったそうだ。

同展はヨーロッパを中心に、版画と写真に加え、カメラなどの関連資料180点で、その表裏一体の関係を探る。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《写真家セスコー》、1896年、リトグラフ、国立西洋美術館

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《写真家セスコー》、1896年、リトグラフ、国立西洋美術館


マクシム・デュ・カン《アブ・シンベル》、1852年刊、塩化銀紙、東京都写真美術館

マクシム・デュ・カン《アブ・シンベル》、1852年刊、塩化銀紙、東京都写真美術館

関連イベントも開催

また、同館で開催する関連イベントについても紹介したい。

ゆうゆう版画美術館まつりとの連携イベントのワークショップ「大事な写真をケースに入れよう」は10月22日(土)に、10月29日(土)、11月20日(日)には、学芸員によるギャラリートークを開催。

記念講演会「19世紀の写真技術~発明から普及まで~」は11月5日(土)、プロムナード・コンサート「2×2=4Hands ピアノデュオ4つの手で奏でる音色の世界」は11月12日(土)、公開制作「写真から版画へ」は11月26日(土)に開催する。

関連イベントに関しては、いずれも事前申し込み不要だ。詳細は、町田市立国際版画美術館の公式サイトで確認を。

さらに、ミニ企画展も同時開催中だ。ミニ企画展「内海柳子とデモクラートの作家たち」の会期は12月18日(日)までで、入場は無料。

ヨーロッパを中心とした、版画と写真、さらにカメラなどの関連資料を観ることのできる「版画×写真 1839-1900」展へ足を運んでみては。

「版画×写真 1839-1900」展
会期:開催中~12月11日(日)
休館日:毎週月曜日(10月10日(月)は開館・10月11日(火)は休館)
会場:町田市立国際版画美術館
所在地:東京都町田市原町田4-28-1
開催時間:平日=午前10時~午後5時、土日祝=午前10時~午後5時30分※入場は閉館30分前まで
入場料:一般900円
町田市立国際版画美術館公式サイト:http://hanga-museum.jp/

(角谷良平)