藤子・F・不二雄ミュージアムにて大人向けに制作したダークな“SF短編シリーズ”の原画展を開催

藤子・F・不二雄さんの「少し不思議な物語」の世界を満喫。

「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」が、10月22日(土)から「藤子・F・不二雄のSF短編原画展 ― Sukoshi・Fushigiワールドへの招待 ―」を開催する。

「藤子・F・不二雄のSF短編シリーズ」の原画展が初開催

夢あふれる児童まんがをライフワークとしていた藤子・F・不二雄(本名:藤本弘)さんは、『ドラえもん』の連載が始まる前年の1969年、児童まんがのタッチはほとんど変えず、大人向けに『ミノタウロスの皿』を発表した。

この作品は多くの読者に衝撃を与え、その後、藤子・F・不二雄さんのSF読み切りまんががさまざまな雑誌で発表されるようになった。

藤子・F・不二雄さんが『ドラえもん』や『キテレツ大百科』などを連載する傍ら描いたこれらの作品群は、「SF短編シリーズ」として多くの大人のファンを魅了してやまない。

今回の原画展では、その「SF短編シリーズ」のまんが原画をかつてない規模で特集する。

『ミノタウロスの皿』1969年「ビッグコミック」

『ミノタウロスの皿』1969年「ビッグコミック」

『アン子 大いに怒る』1974年「週刊少女コミック」

『アン子 大いに怒る』1974年「週刊少女コミック」

『流血鬼』1978年「週刊少年サンデー」

『流血鬼』1978年「週刊少年サンデー」

『ベソとこたつと宇宙船』1979年「こどもの光」別冊付録

『ベソとこたつと宇宙船』1979年「こどもの光」別冊付録

「行け!ノビタマン」(『ドラえもん』)

『ドラえもん』「行け!ノビタマン」

「SF」という呼び名について、藤子・F・不二雄さんはこう語っている。

「僕にとっての『SF』は、サイエンス・フィクションではなくて、『少し不思議な物語』のSとFなのです」ー1989年 藤子不二雄ランド『少年SF短篇』2巻(中央公論社)

「SF短編シリーズ」の作品はどれも、児童まんがで培った親しみやすい絵柄と読みやすいコマ運びで描かれる物語で、読み切りの短編作品でありながら、読者に深い印象を残す。

執筆当時のシリアスな社会問題をテーマにした作品もあるが、今の時代にも通じる普遍性も兼ね備えている。そして、作品によって時折変化する絵のタッチも見どころのひとつとなっている。

「藤子・F・不二雄のSF短編原画展―Sukoshi・Fushigiワールドへの招待―」は、いまを生きるすべて人が楽しめる原画展だ。直筆の「SF短編シリーズ」のまんが原画を通して、藤子・F・不二雄さんの意外な一面を発見してみては。

藤子・F・不二雄のSF短編原画展―Sukoshi・Fushigiワールドへの招待―
会期:10月22日(土)~2023年10月中旬
※会期を3回に分けて約4か月ごとに展示原画を入替予定/入館は日時指定による事前予約制
会場:川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム 展示室II
所在地:神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
開館時間:10時~18時
休館日:火曜日 ※臨時休館、火曜特別開館あり
料金:大人1,000円(税込)ほか
その他予約など詳細(藤子・F・不二雄ミュージアム公式WEBページ): http://fujiko-museum.com/

(IKKI)

※画像は全てイメージ