時代劇を題材とした、日本ならではの新しいプロジェクトが始動。
伝説の彫刻職人「左甚五郎」を主人公とした木彫人形によるストップモーションアクション時代劇『左』プロジェクトが始動し、パイロット版制作がスタートした。
クラウドファンディングプラットフォーム「MotionGallery」にてサポーターを募集し、本編制作実現へ向けて取り組む。
伝説の彫刻職人を題材にした長編作品プロジェクト
本作は、国内外で数々の賞を受賞し米誌Creativityの「世界のクリエイター50人」にも選出されている川村 真司監督による初長編映像作品。
プロデュースは、『こまねこ』や『リラックマとカオルさん』などを手掛けるアニメーションスタジオ・ドワーフの松本 紀子さん。制作チームはドワーフに加え、『ごん』や『プックラポッタの森』などを手掛ける映像スタジオ・TECARAT。
国内外の映画祭で高く評価される作品を生み出し、日本のみならず世界のストップモーション界を支える最高峰のスタジオの技術チームが集結した。
川村真司監督によると、いきなり長編を制作するには予算も制作体制も全然たりないため、まずはこの作品の魅力を最大限に理解してもらえるような数分間の「パイロット・フィルム」を制作することになったという。最終的には1本の長編映画、もしくは10話程度のシリーズ作品を作りたいとしている。
ストップモーション+時代劇によるエンターテイメント
本作では、時代劇という日本独自の世界を、これまでほとんど試みられて来なかったストップモーションという技法を使って描き出すことで、見たことのないエンターテインメント作品を作り出す。
木彫りのキャラクターたちによるストップモーション
彫刻職人であった左甚五郎の物語を描きだすために、彼の作風と同じ木彫りの人形を使用。木彫りの人形は造作や扱いが非常に難しく、ストップモーションではあまり用いられてこなかったが、世界有数のストップモーションスタジオであるドワーフとTECARATのタッグにより、これを実現した。
謎の多い彫刻職人、左甚五郎
左甚五郎とは、江戸時代に活躍したとされる実在不明な伝説の彫刻職人。左利きであったために「左」という姓を名乗ったという説や、はたまた地元の大工に腕の良さを妬まれて右腕を切り落とされたため「左」と呼ばれるようになったなど、その名前の由来も諸説ある。
日光東照宮の眠り猫をはじめ、甚五郎作といわれる彫り物は全国各地に100ヶ所近くあると言われている。しかしその製作年は安土桃山時代から江戸時代後期まで300年にも及び、その設置場所もさまざま。
そのため、左甚五郎とは一人ではなく各地で腕をふるった工匠たちの代名詞として使われたのではないかとも言われている。
今作では、この実存したか判らない左甚五郎というキャラを最大限に活用し、フィクションの中に伝承や史実を編み込んでいこうと考えている。
また、現在でも実際に観に行くことができる左甚五郎の作品「眠り猫」や「野荒らしの虎」などの「モデルとなったキャラクター」も作中で登場させていく予定だ。
もしかしたら、こういった出会いや事件があったからこの彫刻が生まれたのかもしれない。そんな「歴史の二次創作」を楽しめる映像作品にしたいと考えている。
本作が実際に映像作品となるプロジェクトに参加できる機会だ。
ストップモーション時代劇「左」
パイロット版公開予定:2023年1月
公式Webサイト:http://hidari-movie.com
(hachi)
©dwarf/Whatever/TECARAT