ワインを通してヨーロッパの小さな国を発信していくプロジェクト。
映像制作会社「千代田ラフト」は、世界最古のワイン産地の一つとされる東ヨーロッパの小国、モルドバ共和国から日本初上陸のワインを輸入し、自社オンラインショップで販売するモルドバワイン事業を新たに立ち上げる。
ショップのオープンは2022年2月中旬の予定だが、それに先立ち、11月1日からMakuakeでモルドバワインの先行予約販売を行うクラウドファンディングに挑戦している。初日で目標の400%超えを達成し、モルドバワインの認知拡大とファン獲得を目指し、2022年1月10日の最終日まで受付中だ。
■世界最古のワイン産地として知られる「モルドバ共和国」
国土面積3万3843平方km。九州地方よりやや小さく、天然資源を持たないモルドバ共和国は、欧州最貧国の一つ。そんな中、モルドバ政府が力を入れているのがワイン産業。
国土の約75%が栄養豊富な黒土に覆われ、昼夜の気温差が激しく、年間降水量が少ないモルドバは、ぶどう栽培に最適な国。
年間ワイン生産量は世界19位の約2億リットルで、その9割がヨーロッパ、アメリカ、カナダなどに輸出され、重要な貿易品目となっている。
また、モルドバのワイン造りの歴史は5千年前にさかのぼることができ、良質なワインの産地としてだけでなく、世界最古のワイン産地の一つとしてもヨーロッパでは知られている。自分の畑で葡萄を育て、自家製ワインを作る人も多く、ワインはモルドバ人にとって重要な文化でもある。
■プロジェクト始動の思い
日本におけるモルドバワインの認知度は極めて低いのが現状。
そこで千代田ラフトは、モルドバワインを知らない日本人にその魅力を伝えることで、モルドバが抱える経済的な問題を解決するきっかけを作りたいと考えている。
同社の武器は長年、NHK番組を中心とした映像コンテンツ作りで培った企画力と制作力。ワインを通して、モルドバという国自体に関心を持つ人を増やすのが目標だ。
ワイン選びは在日モルドバ大使館の協力を得た。モルドバ土着品種のぶどうを使ったワイン造りにこだわるワイナリーを紹介してもらい、ワインを取り寄せて試飲を行い、12本のワインを厳選。
今回のワインの輸入販売を皮切りに、今後は日本で活躍するモルドバの人々、文化や風習、美しい風景などをコンテンツ化していく予定。
このプロジェクトのきっかけは、2015年にモルドバ人の女性を新卒採用したこと。「いつか祖国に貢献できる仕事がしたい」という、彼女の願いを実現するために出した答えがワインだった。
「映像を作り、伝える」ことで、モルドバ共和国とモルドバワインの魅力をどれだけ世の中に広めることができるか。その挑戦を見守りたい。
Makuake『モルドバワイン』プロジェクト:https://www.makuake.com/project/moldova/
(hachi)