実りの秋を舌で楽しむこの季節、合わせる酒も旬のものを選びたい。
■「不易流行」がモットーの天山酒造
祇園川の水力を利用して製粉・製麺業を営んでいた七田利三・ツキ夫妻が明治8年(1875年)に酒造業を始めた、佐賀県にある「天山酒造」。いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくという意味がある「不易流行」の考えをモットーに酒造りを行っている。
「天山酒造」6代目蔵元の七田謙介氏が、21世紀の現代の食生活とともに輝く酒であるようにと2001年(平成13年)に新たに立ち上げた純米酒「七田」。穏やかで気品ある香りと米の旨味と酸味のバランスが取れた味わいが特徴で、口に含んだ瞬間のインパクトがあり、米の旨味をしっかりと感じるキレの良い純米酒を目指して醸造している。
「天山酒造」は、秋の季節限定商品「七田 純米 七割五分磨き 愛山 ひやおろし」「七田 純米 七割五分磨き 雄町 ひやおろし」の蔵出しを始めた。
■天山酒造ならではの酒造り
七割五分磨きの『低精米シリーズ』
『七田』の代名詞ともいえる七割五分磨きの「低精米シリーズ」は、良質な米を丁寧に醸すことで低精米でも米の旨味をしっかりと表現した酒。現在は「山田錦」「雄町」「愛山」「山田穂」「春陽」の5種類をラインアップ、酵母や製造工程は同じで、純粋に米の違いを楽しむことができる。
ひやおろし
冬に絞ったまま卸した「生酒」がフレッシュな味わいであるのに比べ、「ひやおろし」は一度火入れを加えた後に、貯蔵庫で夏のあいだ寝かせてあるため、時間によって程よく熟成されている。
絞りたての粗さが取れ、味わいにまろやかな丸みが出て、味わい深さを楽しめるのが、日本酒の「ひやおろし」の特徴なのだ。
七田 純米 七割五分磨き 雄町 ひやおろし
『七田』の七割五分磨きの中でも特に旨味が特徴の「雄町」。「鶏の唐揚げ」や秋の食材を使った「松茸の土瓶蒸し」などとの相性はバッチリだ。
原料米:全量 雄町(岡山県産)
精米歩合:75%
アルコール度数:17度
飲み頃の温度帯:常温(15~20℃)orぬる燗(42℃)
七田 純米 七割五分磨き 愛山 ひやおろし
『七田』の七割五分磨きの中でも特に「甘み」と「酸味」のバランスが絶妙な「愛山」。「味噌もつ煮」「さつまいもとごぼうの甘辛炒め」などとの相性がバッチリ。
原料米:全量 愛山(兵庫県産)
精米歩合:75%
アルコール度数:17度
飲み頃の温度帯:常温(15~20℃)or人肌燗(35℃)
酷暑の時期を貯蔵庫で寝かせて熟成した「ひやおろし」、秋を告げる味として旬の食材と共に味わいたい。
天山酒造
所在地:佐賀県小城市小城町岩蔵1520
公式サイト:http://www.tenzan.co.jp/main/
※価格は税込
(冨田格)