コロナ禍により進む「テレワーク」「新しい生活様式」によって、住環境への考え方はいかに変わってきただろうか。
■新型コロナウイルスの流行による移住への意識変化
運営20年を迎える日本最大級のFCビジネスのwebメディア「フランチャイズWEBリポート」は、「新型コロナウイルスの流行による移住への意識変化」についてのアンケート結果を発表した。
事前の調査で直近3年以内に移住を考えたことがあると答えた1342人のうち、新型コロナウイルス流行以降にはじめて移住を考えたと答えた人が10%、移住に対する気持ちが強くなったと答えた人が16%、コロナをきっかけに具体的に移住を検討しはじめたと答えた人が7%という結果になった。
つまり、コロナ禍で移住を前向きに検討している人が合わせて35%を超えたということだ。
コロナの影響を理由に移住を考えなくなった人は11%に留まり、53%が「移住への意識は変わらない」と回答したため、前向きに検討している人も合わせて、コロナ禍でも移住を検討している人が88%という結果になった。
代表的な項目について詳細を見ていこう。
■コロナ禍で移住したい理由
前向きに移住を検討している人の理由は、大きく分けて「感染リスクが拡大したことによる移住の検討」と「働き方や生き方を変えたいから移住を検討」という2つに分かれた。
「感染リスクが拡大したことによる移住の検討」の回答としては、『都会のコロナ感染リスクを考えると田舎で暮らしたい』『都心部は電車や飲食店において人が多く感染リスクがある』『実家の両親が心配』『実家に帰ることができなくなり、地元に帰りたいと思うようになった』などが挙げられている。
「働き方や生き方を変えたいから移住を検討」の回答としては、『テレワークが普及すれば、通勤時間を考えなくても好きなところに住める』『都会の家は在宅勤務するには狭い』『もっと環境が良く、人の多くない場所に住みたくなった』『都心部は家賃が高いので、田舎に移住して家賃を安くしたい』『この先の生き方を考え直す良い機会』『テレワークができるのなら、通勤時間ほど無駄なものはないと感じる』などが挙げられている。
■コロナ禍で移住を考えなくなった理由
理由として多かったのが、地方から都心部への移住を考えた際に「移住希望地の感染リスクが高い」、また都心部から地方への移住の場合は「移住先の人に偏見をもたれる」ということを懸念しているものが目立った。
■移住後の働き方
「転職せず、テレワーク中心に働く」と回答した人が42%、「移住先の支店で働く」と回答した人が19%となる一方で、「脱サラ・独立開業」を検討している人も15%いることがわかった。
「脱サラ・独立開業」を検討している人に開業方法を聞いたところ、「自身のスキルや経験を活かして開業」が27%だった。
一方で「未経験から独学でスキルを身に着けて開業」が30%、「フランチャイズや代理店に加盟」が21%と、これまでの経験やスキルなしに脱サラ・独立開業を検討している人が、合わせて半数以上の51%いることがわかった。
コロナ以前とは、仕事そして生き方について正面から考える人が増えているという傾向が伺える。コロナ禍はマイナスの面ばかりに目が行きがちだが、じっくりとこれからの人生を考える機会と捉えることもできそうだ。
調査詳細:https://fc.dai.co.jp/articles/1005
(冨田格)