サウジアラビアが進める再生型観光プロジェクト「コーラル・ブルーム」

サウジアラビアに、海を舞台にしたサステナブルな高級リゾート観光地が誕生する。

2030年の完成を目指して、建設中のプロジェクトの名は「コーラル・ブルーム」。

■自然を残し、活用する再生可能なプロジェクト

「コーラル・ブルーム」は、サウジアラビアの西海岸に沿って28,000キロ平米の土地と水域で開発が進められており、90以上の島々からなる広大な群島が含まれる。観光地では山間の渓谷、休火山、古代の文化遺産なども見ることができる。

ホテル、住宅物件、レジャー、商業、娯楽設備のほか、再生可能エネルギーを利用し、水の保全と再利用を重視したインフラをサポートする施設が含まれる。

生物多様性への配慮を中心に据え、島のマングローブやその他動植物の生息地を破壊しないように設計し、砂浜の自然浸食を最小限にとどめるよう配慮する一方で、島の自然環境を強化する修景によって新たな生息地を創出していく。

■ポストコロナの時代に対応した設計

イルカの形をした島に作られる新しいビーチやラグーンは、土地の高さを上げるため、世界的な海面上昇の脅威に対する防衛層として機能する。

ウエルカムラウンジ

プロジェクトの中心となるシュライラ島にある11軒のホテルは、世界でも有数のホテルブランドが運営。ポストコロナ時代に適応し、旅行者が期待する広いスペースをとり、広大な砂丘の一部に入り込むように作られている。

ホテルイメージ

すべてのホテルとヴィラは、島の自然の景観をドラマチックに演出し、景観の中に溶け込むように配置される。高い建造物がないことで壮大な景色を楽しむことができると同時に、島がゆっくりと姿を現していく神秘的な感覚をゲストに提供する。

リゾート自体は、軽量で熱量の少ない素材を使用し、オフサイトで製造されるため、よりエネルギー効率の高い構造となり、環境への負荷を低減できる。

2022年末までに国際空港と初めの4軒のホテルがオープンを予定し、最初のゲストを迎えるべく、着々と準備が進められている。2023年には第一段階として計画されている残りの12軒のホテルが開業する予定だ。

2030年の完成後には、コーラル・ブルーム・プロジェクトは50のリゾートで構成され、22の島々と6つの内陸部の敷地には最大8,000室のホテルと約1,300軒の住宅物件を提供する。高級マリーナ、ゴルフコース、娯楽施設、レジャー施設なども併設される予定となっている。

完成の暁には、一大リジェネラティブ・ツーリズム (再生型観光)プロジェクト として、世界中の話題をさらうだろう。

ザ・レッド・シー・デベロプメント・カンパニー (TRSDC)https://www.theredsea.sa/en

(TF)