現代アート会員権サービス「ANDART」がオーナー間取引の作品ラインナップを拡充

現代アートを所有する形に大きな変化が起きそうだ。数万円から現代アートのオーナー権を所有できるサービス「ANDART」が、すでに売り切れとなった人気作品のオーナー権をユーザー間で売買できる「オーナー間取引(β版)」の作品ラインナップを大幅に拡大した。

 

■数万円で作品の「オーナー権」を持つというスタイル

「オーナー間取引(β版)」の作品に追加されたアーティストはダニエル・アーシャムや日本人作家の山口歴など。いずれも世界で活躍する若手アーティストだ。

Daniel Arsham 《ERODED CLASSICAL PRINTS》

立体作品を得意とするアーシャムが初めて制作・販売したプリント作品。彫刻作品である「Eroded」シリーズの制作前に下書きした際のドローイングを再度描き直し、99部限定でシルクスクリーン作品の3点組ポートフォリオとして展開したもの。

作品に付随してホログラム付きの証明書、アーシャムのロゴがついた特製グローブ、各作品タイトルが入ったエナメルプレートが付いているのも人気の理由。アーシャム本人のサイトでオンライン販売されるも一瞬で完売となった貴重な作品だ。

アーシャムは「フィクションとしての考古学(Fictional Archeology)」という独自のコンセプトを軸に、彫刻を中心とする立体作品からペインティング、インスタレーションまで多角的に活動する。

2020年に渋谷にて開催された個展”Relics of Kanto Through Time”では、西暦3020年に発掘されたポケモンというコンセプトのもと、ポケモンモチーフの立体作品を多数展示した。

山口歴 《REVISUALIZE NO.7》

大きなブラシで躍動的に描いた筆跡(ブラッシュ・ストローク)を、パソコン上で緻密にコラージュして再配置する「カット&ペースト」という独自の手法を用いた山口歴の代表な作風。大胆でアグレッシブな筆の動きと、繊細で複雑な工程によって作り出される丁寧さの複合的な魅力を持つ。

本作は2020年7月から8月にかけて西武渋谷店で開催された展覧会「Meguru Yamaguchi -HIGHER SELF」にて発表され、即完売となった最新作「REVISUALIZE」シリーズのうちのひとつ。赤・青・黒を基調とした近年の山口作品に見られる美しい色彩と光沢感が圧倒的な存在感を放つ。

山口はイッセイ・ミヤケやNIKE、UNIQLOといったファッションブランドとコラボし、SOGO HONGKONGの30周年記念アーティストに選出され​30​mのビルボードを飾ったほか、ニューヨークでの​NIKE​​と​​NFL​とのスペシャルプロジェクトにも参加している。

■オンラインで手軽にできるオーナー間取引

1.購入したい作品に対して、購入希望価格にて注文オファーを入れる。
2.注文オファー後、作品のオーナー権を所有しているユーザーが注文を承諾すると取引が成立する。

保有するオーナー権の枠数に応じて、「デジタル証明書」の発行、作品展示の際の「オーナー名掲示(任意)」、「作品鑑賞イベントへの参加」、「アーティストの活動レポートのお届け」などの優待が受けられる。

手軽な金額で始められる「オーナー権」の購入は、アートを所有する初めの一歩として最適なスタイルだろう。

ダニエル・アーシャム作品:https://and-art.jp/works/14
山口歴作品:https://and-art.jp/works/18

(TF)