東京スカイツリータウン「すみだ水族館」の企画展が2つの金賞を受賞!

今春のコロナ禍による緊急事態宣言期間を挟んで開催された「すみだ水族館」の企画展が、「日本空間デザイン賞」「日本サインデザイン賞」で金賞を受賞した。

外出自粛要請のために実際に見られなかった人が多い企画展の内容を振り返る。

「あなあなの家」 展示生物:ナベカ 警戒心が強く、穴に隠れる習性がある。それぞれの個体がフィットする穴を探せるように、大きさの異なる穴のあるすみかを製作。

■無機質な人工構造物といきもの

企画展「カタチとくらし」は、小さないきものの姿形や習性にちなんでデザインした“人工のすみか”を6つの水槽内に設置し、いきものの暮らし方を観察できる展示として、1月31日~2月29日、6月15日~7月14日に開催した。

“人工のすみか”は、「すみだ水族館」飼育スタッフ監修の元、デザイナー藤井 北斗氏によって、いきものの体の形、模様、習性などから、それぞれの生態の特徴が際立つように、オブジェのような人工構造物を用いてデザインされた。

「とげとげの家」 展示生物:ヘコアユ 危険を感じるとウニのトゲの中に隠れる習性がある。群れで隠れられるように、たくさんのトゲトゲのオブジェを設置。

■空間デザインの新しい価値を導き出す空間アワード

「日本空間デザイン賞」は、日本で唯一かつ最大の空間アワードで、空間デザインの新しい価値を導き出し、日本から優れたデザインを世界に発信することを目的としている。

ショップ空間や博物館・文化空間といった11のカテゴリーで金賞・銀賞・銅賞が選定される。

今回、そのデザイン性の高さと、無機物な構造物に実際にいきものが暮らすことで完成する融合性が評価され、「エキシビジョン、プロモーション空間」カテゴリーで『金賞』を受賞した。

「だんだんの家」 展示生物:スザクサクサエビ 暗い所で群れで暮らす習性から、生物たちが安心できるようたくさん影ができるような段々状のオブジェを設置。

また、優れたサインデザイン作品を広く社会に伝え、サインデザインの普及および啓発をはかることを目的として、1966年以来続けられてきたわが国で唯一のサインデザインに関する顕彰事業「第54回日本サインデザイン賞」では、応募作品数315点の中から『金賞』に選ばれるとともに、『日本サインデザイン招待審査員賞』を受賞した。

「しましまの家」 展示生物:ヨスジリュウキュウスズメダイ サンゴの群生の間など隙間に隠れる習性から、生物のしま模様の幅に合わせたサイズの棒状のすみかを設置。

これらの名誉ある賞を受賞したことを受け、2021年2月頃に本企画展を再び開催する予定。詳細が発表されるのを待ちたい。

「にょきにょきの家」 展示生物:クダゴンベ 辺りを警戒して高い所から見渡す習性がある。気分によって上る場所を変えるので高さの異なる構造物を設置。

すみだ水族館:https://www.sumida-aquarium.com/index.html

(冨田格)