チェコ・ターボルで楽しむチェコの伝統料理

チェコと言えば首都のプラハが中世の面影を残していて美しく有名だが、チェコには他にも魅力的な街がいくつもある。その中で、プラハから日帰りも可能なTábor(ターボル)という街は、のんびりと街歩きするのにオススメだ。

そんなターボルの街で、チェコ代表の料理を味わってみよう。

ぎゅっと凝縮されたようなターボルの街は、駅を出てしばらく歩くと、急に中世の城下町に入り込んだことに気がつく。石畳の道が続き、そして建物も古くて色合いが落ち着いている。

ターボルの街は歴史的にも宗教的にも重要な「フス戦争」の重要拠点として、中世に栄えた街だった。今もそれがこの土地の人々の誇りである。

そんな街の落ち着いた雰囲気を楽しみながら石畳の道を歩いていると、「Restaurace」と壁に直接書かれたレストランを発見。扉の両側には不思議な絵とメニューが書かれている。

よく見ると、右側の絵の上に植物を描いたような文字で「U Zeleného stromu」と書かれていた。訳すと「緑の樹」というところだろう。

入ると手前にはバーカウンターがあり、ビールのタップがいくつか並んでいるところがチェコらしい。

奥は広く、肉を焼いたりするのだろうか、石造りのかまどのようなものがある。そして一番奥に通された我々のテーブルからは中庭が見えた。

心地の良い秋晴れの日で空は真っ青、窓から差し込む光が気持ちいい。

我々はまず身体を温めるために、ガーリックスープを頼む。これはチェコの伝統的なスープで、どこに行ってもあるので試してもらいたい。しっかりとガーリックが効いているので、芯から温まって元気が出るスープだ。

チェコの料理で気に入っているのは、「Svíčková(スヴィチコヴァー)」という肉料理。店によって当然味付けが違ってくるが、基本はたっぷりのソースにスライスされた牛肉が盛られているもの。

そして面白いのが、その牛肉にスライスレモンとジャム、そしてクリームがのっているということ。一緒に合わせて食べるのが美味しいのだ。

あと、付け合わせに「knedlíky(クネドリーキ)」が添えられているのも基本。人によっては重たく感じるかもしれないが、パンを茹でたようなもので、これまた店によって様々なスタイルがあるので面白い。

芋の団子のように見えるものもあるが、今回のレストランでは、中がもちっとして外がカリッとしている食べやすいクネドリーキだった。ソースをつけて食べ切ってしまう。

チェコの主力ビールである「Pilsner Urquell(ピルスナーウルケル)」を飲みながら、のんびりとした時間を楽しむ。天気の良さもあって、最高のランチだった。

※2020年10月現在、欧州各国では出入国の制限をしています。旅行の際は必ずご確認を。

(田原昌)