タイムピースを選ぶ時、「便利な高機能」と「ちょっとレトロな遊び心」のどちらが重要だと考えるだろう。「遊び心」に惹かれる人にはお勧めの腕時計がある。
1960年代に普及した海外のダイヤル式電話機、通称「黒電話」をモチーフにした、テンデンスの「KingDome(キングドーム)」コレクションの最新モデル「Vintage Phone(ヴィンテージフォン)」がひそかに人気になっている。
■「KingDom」コレクション「Vintage Phone」
テンデンスブランドの中でも人気の「KingDome(キングドーム)」コレクションは、フェイスにデザインされているモチーフが腕の動きに合わせてクルクルと回転するユニークな腕時計だ
ドーム型になっているガラスの中には、立体的なインデックス(数字)と、3層からなるスピニングダイヤルが存在している。一番上のダイヤルが、着用者の腕の動きに合わせてクルクルと回転し、見る人を惹きつける。
「黒電話」をモチーフにした「Vintage Phone」は、ブランドの創設者であり、コアデザイナーであるガブリエル・ジェルミー氏の渾身のこだわりデザイン。特に電話のダイヤル部分には、時計のスウィングが止まった際にホールに各数字がきちんと収まる必要があり、試作の段階で何度も重さの微調整を手作業で行うことによって完成したとか。そこには、技術者とデザイナーの努力と情熱が込められている。
「Vintage Phone」発売の際、テンデンスジャパンのチームでは、懐かしいと思ってもらえる40代以上の世代に向けてプロモーションを試みたが、発売から6カ月が経過した現在の購買層は20代~60代と、幅広い支持を得ている。
20代の購入者に話を聞くと「見た目がかわいい」「ユニークで面白い」「他にないデザイン」という声があげられている。
テンデンスブランドが一番大切にしているのは「人々の記憶や感情に語りかけること」。「Vintage Phone」モデルも、黒電話を使用したことがある世代には昔の思い出がよみがえり、また初めて見る世代には時代の進化がより鮮やかに映ったのだろう。
急速にデジタル化が進む中だからこそ、アナログなテイストの過去に触れることで、今まで感じなかった新しいものが見えてくることもありそうだ。
KingDome(キングドームコレクション) ヴィンテージフォン
価格:55,000 円(税抜き)
オンラインストア:https://www.tendence.jp
(冨田格)