京都寺町「御所 雲月」で春を感じる懐石料理をいただく

昨年3月の末、京都の桜を観に出かけた。

 

京都御苑の桜を鑑賞しどこで昼食をいただこうか思案していた際、仙洞御所の受付の方が手隙になったところを見計らって近隣でランチにおすすめの店を聞いてみた。

いくつか挙げていただいた候補の中から懐石料理がいただける「御所 雲月」に伺うことに。

 

京都御苑のほうから向かうと和モダンの雰囲気のある「御所雲月」のレストラン入り口が見えてくる。

席があるか尋ねると1人だけなら空いているとのこと。桜の時季には、予約でいっぱいになる人気店だったのだ。

履物を脱ぎ、店内に入ると和室の掘りごたつのカウンター席に案内された。

昼食は3,000円と5,000円の2種類の懐石料理。この日は5,000円のコースは売り切れてしまったというので必然的に3,000円のコースに。

始めに盃の食前酒と先付の自家製の胡麻豆腐。

 

やや時間をおいて刺身、

 

続いて青々とした笹の葉にくるりと巻かれた名物の鯖寿司が運ばれる。

 

鯖寿司は昆布の旨味が凝縮した肉厚の鯖に染み絶品。お土産に「お持ち帰り用の鯖鮨」もあるので食事中にオーダーして買って帰る人も多い。

若竹や桜生麩など春が感じられる食材が使われた炊き合わせ、揚げ物などがゲストのペースを確認しながらゆっくりと運ばれてくるのが嬉しい。

 

出てくる品々は、京都らしい優しい味付けで見た目も美しい。

 

食事は一人用の釜で炊かれた豆ごはん。たっぷりのグリーンピースがふっくらとご飯の上に鎮座。

 

おなかがいっぱいになっていたので心残りではあるが少なめによそっていただく。

すると「残ったごはんをおにぎりにしましょうか」と尋ねてくれた。

 

食事が終わるとデザートにわらび餅。濃厚なコクの黒蜜と香ばしいきな粉がかかり、ふるふるのわらび餅がさらにおいしくいただける。

 

店を後にして寺町通へ出ると風情のある町家に「御所雲月」の暖簾がかかる。こちらでは小松こんぶやわらび餅などが購入できる。

 

帰ってからいただくおにぎりがまた格別においしかった。

 

住所:京都府京都市上京区寺町通今出川下ル二筋目西入ル

 

(小椚萌香)