日本三美人の湯のひとつ 龍神温泉の「下御殿」に宿泊

和歌山県 龍神温泉は、群馬県の川中温泉・島根の湯の川温泉とともに日本三美人の湯と呼ばれる。今回紹介するのは、寛永16(1639)年創業の歴史ある龍神温泉の「下御殿」。日本秘湯を守る会の会員宿である。

 

客室は本館に露天風呂と掘りごたつ付客室が3室、和室3室、新館に特別室2室、掘りごたつ付き和室6室、シングルの洋室3室の計17室。

お勧めの部屋は何といっても露天風呂付の部屋。川沿いに陶器のバスタブとシャワーが備わり、川のせせらぎを感じながら好きな時に温泉を愉しむことができる。

宿泊したのは日高川に面した和室。

 

広縁に腰掛ければ緑濃い樹々と眼下に川の流れが望める落ち着いた佇まい。

 

大浴場は畳敷きのお座敷風呂と檜風呂の内湯、日高川に面した混浴の露天風呂の3つ。

 

内湯は朝夕で男女入れ替わり制、露天風呂は男女ともにバスタオルを巻いて入浴できるので宿泊すると趣の異なるすべての浴場を利用できる。

 

泉質は、ラジウムを豊富に含有するアルカリ性炭酸泉。浸るとトロリとした湯が肌に纏わりつくよう。肌の角質を落とし、肝臓の働きを活発にする効果で、素肌をすべすべにするだけでなく体の中からも美人になるという。

下御殿のホームページから引用させていただくと『その昔、役の行者が発見し、後に弘法大師が難陀竜王の夢のお告げによって開湯したといわれる1,300年の伝統を誇る由緒ある温泉。江戸時代には、紀州藩主徳川頼宣公がいたく気に入り、藩費を使って宿を建てさせ、廃藩までの長きに渡って代々藩主達の別荘地として愛されてきた』そう。

 

食事は食事処「御殿茶屋」でいただく。

 

山あいの里ならではの山菜料理や川魚を使った季節ごとの会席料理。

 

虹鱒の洗いや鮎の塩焼き、牡丹鍋など地場の滋味深い食材が嬉しい。

別注の料理も「鹿肉みぞれ和え」や「いたどり油炒め」など各種用意。

朝食は温泉卵、豆腐、多種の小鉢などが並ぶ見た目も愉しい御膳。

 

館内には江戸時代からの調度品や寄贈された書画なども展示されている。温泉や食事を愉しむとともにいにしえからの歴史が各処に感じられる温泉宿であった。

 

住所:和歌山県田辺市龍神村龍神38

下御殿:http://shimogoten.com/

 

(小椚萌香)