社会問題と向き合う人のクラウドファンディング「2019年をあらわす10のプロジェクト」を発表

社会問題に取り組むクラウドファンディングに注目してみよう。

「GoodMorning」は、社会課題の解決に挑戦したクラウドファンディングのベストプラクティス『2019年をあらわす10のプロジェクト』を発表した。

2019年は合計714件(昨年対比162%増)のプロジェクトを掲載。昨年よりもストーリー性を重視したプロジェクトや、プロダクトやエンターテイメント要素を取り入れたものが増加。また従来の主な用途となる”活動資金の調達”に限らず、同じ問題意識を共有している人々のコミュニティ形成やその可視化など、”マーケティング手法”として実施するプロジェクトが目立った。

■自然災害からの復興を、食べて応援する1000人
タイトル:台風19号で浸水した信州りんごの名産地。創造的な復興を皆様とともに目指したい。

「アップルラインの復興」をキーワードに、多くの支援を集めた。このプロジェクトを通じて出会った応援団とともに、復興に向かっていくことを願う。

■​テクノロジーによる新たな可能性
タイトル:寝たきりでも働ける分身ロボットカフェプロジェクト公開実験!

寝たきりや外出困難な人でも、分身ロボットを利用することで働けるというカフェ実験プロジェクトの2回目の挑戦。

■マイノリティがつながる「学びの場」をつくる
タイトル:全国のマイノリティ当事者がつながり 未来を描く「知」のコミュニティをつくりたい!

誰もが学びの場にアクセスできる環境をつくるために「開講サポーター」という仲間を集めた本プロジェクトは、新たな事業展開を模索するきっかけにもなった。

■若者の投票率向上をエンターテイメントで
タイトル:若者の投票率を「笑い」の力で向上させたい!

投票率の低下が深刻化する中で、「笑い」と「教育」を掛け合わせた新たな取り組みに期待が集まった。

■男性の育休義務化と待機児童ゼロの実現を
タイトル:待機児童ゼロ!男の産休義務化!日本を「子育てしやすい国」に変身させるプロジェクト

育休の義務化など「制度改革」への新しい関わり方を提示。だれもが社会を変える一歩に参加できることを伝える、好事例となった。

他にも『2019年をあらわす10のプロジェクト』として、以下の5項目が取り上げられた。(いずれもタイトル)

・「今夜、行き場のない人」を路頭に迷わせないため、団体の枠を越えた基金を作りたい!
・ReFreedom_Aichi --あいトリ2019を「表現の自由」のシンボルへ
・soarを生きづらさや困難がある人たちの「情報のセーフティネット」にしたい!
・老朽原発廃炉をめざす「全国初」の裁判を継続できるようご支援おねがいします。
・つよく、やさしい自分に1cm近づく性教育トイレットペーパーを日本に広めたい!

クラウドファンディングは資金調達のツールを超えて、認知拡大や世論形成の手段として利用されている。これからの社会をつくっていくアイディアが、生まれてくることを期待したい。

URL:https://camp-fire.jp/goodmorning

(田原昌)