日本人が親しんでいる薬味の一つとして挙げられる「七味唐辛子」。
唐辛子を筆頭に、ゴマや陳皮、山椒などの7種類の素材を合わせた薬味であるが、長野にはお土産の代表として名前が挙がる「八幡屋礒五郎(やわたやいそごろう)」がある。今回はその本店を訪ねてみた。
日本の「三大七味」と言えば、東京・浅草の「やげん堀」、京都・清水の「七味屋」、そして長野・善光寺の「八幡屋礒五郎」だ。
七味に使用する素材や量については、それぞれ独自の調合方法があり、決められたものではないのだそう。自分好みの七味を選びたい。
さて、善光寺の山門の脇に、八幡屋礒五郎の本店がある。
昔から善光寺参りのお土産として親しまれてきた老舗だが、今は様々な工夫がなされ七味を上手に使った逸品が並んでいて面白い。善光寺でのお参りを済ませたら、ぜひ立ち寄ってみよう。
七味にこだわりたい、自分好みの七味を作ってみたいという人のために、本店では調合をしてくれる(長野駅ビル内でも可能)。
まずはベースを決め、そこに山椒やゆず、紫蘇などを加えてもらう。目の前にずらりと並んだスパイスの中から丁寧に分量を量り、手元の調合用の器へと入れていく。最後に混ぜて袋、もしくはよく知られている七味缶に入れて完成!
これで自分だけの七味が出来上がり。何を調合したのかが分かるように「調合カルテ」をもらって終了。次に行った時は別のスパイスに挑戦してみよう、という楽しみができる。
また、ここにあるのは辛いものばかりではない。なんと、七味を使ったスイーツもあるのだ。
綺麗な7色の「七味マカロン」や、スパイスの入ったチョコレート、そしてジェラートもある。これは是非味を知りたいということで、「七味ジェラート」に挑戦。
独特の甘みと辛味を持つという万願寺とうがらしを使った「万願寺」と、これまた珍しい「麻種(おたね)」をチョイス。「ジェラートに合う七味もあるので、お楽しみ下さい」と言われたので、ジェラートに七味をかける。
七味がかかってて見た目は辛そうだが、これが不思議な味わいで美味しい!口の中で辛いような甘いような、なんとも言えない感覚に陥った。
七味の新しい魅力と、そのこだわりが体験できる「八幡屋礒五郎」の本店。善光寺を訪れた際は、立ち寄りたい名店だ。
(田原昌)