日々の暮らしの中で、自分では解決するのが難しい悩みを抱くことは珍しくない。モヤモヤしたまま無理やりに消化させようとしても、それは決して簡単なことではない。
そんな悩みには「哲学」が効果がある。こう言われても、なかなかピンとはこないかもしれない。なにしろ「哲学」には難解なイメージしかなく、身近な存在ではないからだ。
哲人プラトンが、その下で弟子たちと議論を交わしたというオリーブの樹。そのプラトンゆかりのオリーブの樹があるオリーブ園で、哲学に触れるイベント「哲学ウォーク」が定期的に開催されているという。そして8月24日には第4回目が開催される。どのように哲学に触れるのか、早速ご紹介しよう。
◾︎日本のエーゲ海に面したオリーブ園
オリーブ栽培とオリーブの木・食品・化粧品の製造販売を手掛ける日本オリーブのある岡山県瀬戸内市牛窓町は、「日本のエーゲ海」と称される瀬戸内海に面した港町で、小豆島(香川県)と並んで日本有数のオリーブオイル産地として知られている。
日本オリーブが運営する牛窓オリーブ園は、牛窓の絶景が一望できる丘陵地に位置し、園内には「恋人の聖地」に認定され3回鐘を鳴らすと幸せになるとされる「幸福の鐘」や、こだわりのコーヒーが楽しめる専門カフェ 「山の上のロースタリ」などがあり、年間を通じて多くの来場者を集めている。
◾︎哲人プラトンゆかりのオリーブの樹
山形県の医師篠田秀男氏が、昭和30年、世界旅行で立ち寄ったのがアテネ市ピルー通りプラトン広場。そこには哲人プラトンがその樹の下で遊説したと伝えられている樹齢2千年程のオリーブ樹があった。
篠田氏は、その樹から取れるオリーブの実を日本に持ち帰り、農芸専門家の高木五六博士に発芽させてもらい鉢で育てていた。しかし、17年育てても、花も付かず実も結ばないので、牛窓オリーブ園に寄贈することにした、という。
篠田氏から譲り受けた樹から指し芽で育成したオリーブ樹はすくすくと育ち、そのうちの1本が日本オリーブの本社事務所前庭で今も生い茂っている。
園内の事務所前庭にプラトン由来の樹があることにちなんで、牛窓オリーブ園の素晴らしさをより深く体感してもらおうと、日本オリーブでは定期的に「哲学ウォーク」を開催している。
◾︎哲学ウォークとは何か?
オランダの哲学者、ピーター・ハーテローが考案した哲学プラクティスのメソッドのひとつ。歩くことと立ち止まること、沈黙することと話すこと、自分自身との対話と他者との対話を交互に行いながら、思考を深めていく。
「哲学」において、思索することと歩くことは関連性が深いと考えられており、「哲学ウォーク」も文字通り「歩く」ことが基本であるのだが、 8月の日本はまさに酷暑。今回は暑さを避けて室内で美味しいコーヒーを飲みながら語らいあう「哲学カフェ」形式となっている。
日々の暮らしの中で、
「自分はこんなに頑張っているのに、わかってもらえない」
「自分が言っても聞いてもらえないのに、なぜあの人が言うと、言うことを聞くの?」
「慎み深く、謙遜するのが美徳なのに、あの人の話はなんだか自慢めいて引っかかる」
など、モヤモヤする悩みがある人は少なくない。
しかし、それはもしかすると自己評価と他者評価のズレのせいかもしれない。ひとりでもんもんと考えるのと違い、哲学カフェでは他の参加者との対話で自分と異なる思索に触れることが良い刺激になるのは間違いない。
自己評価と他者評価について思索を深める、絶好の機会になりそうだ。
第4回牛窓アカデメイア 哲学カフェinプラトンゆかりの樹がある牛窓オリーブ園
日時:2019年8月24日(土) 15~17時
場所:牛窓オリーブ園 瀬戸内市牛窓町牛窓412-2 山頂建物2F「山の上のロースタリ」
参加費:1,000円+山の上のロースタリの飲食代
主催:日本オリーブ株式会社 https://www.nippon-olive.co.jp/
申込方法:https://www.nippon-olive.co.jp/fs/ushimado/c/tetsugakuwalk
※参加者は12名限定。ご希望の方は早めのお申し込みを。
(冨田格)