燃料電池電気自動車「ホンダFCXクラリティ」を自治体に納車し、研究促進へ

ホンダは、一般家庭のおよそ6日分の使用電力を供給できる、最大出力9kWの外部給電機能を装備した燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」を、新たにさいたま市、神奈川県、大阪府に順次納車することを公表した。

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「FCXクラリティ」は、2007年のロスアンゼルス・モーターショーでデビューを飾った燃料電池自動車。2008年より日本でも官公庁や一部の企業を対象としてリースが開始された。スタイルはスタイリッシュなセダンタイプのもので、最高出力136PSを発揮。一回の航続距離は、10・15モード走行で620㎞を誇る。エネルギーは、バッテリーの容量だけでなくタンクに充填した水素を用いて発電を行う。その電気をバッテリーに蓄えることで、安定した長距離巡航を可能とした。発電の際に排出されるのは水のみなので、他の電気自動車同様に、環境負荷の小さい自動車として注目を集めている。

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納車されたFCXクラリティは、各自治体での公用車としての用途に加え、外部給電機能を活かした災害時の電力供給対応の検証やイベントでの運用を通じて、外部給電機能を含めた燃料電池電気自動車の使い勝手、活用方法に関する各種データが、各自治体からホンダにフィードバックされる。このデータをもとに、燃料電池電気自動車の活用方法を検証し、量産化と普及に向けた研究開発に活かされるという。これまでもFCXクラリティは、内閣府や環境省、帝都自動車交通株式会社などにリースが行われており、福岡県が自治体として公用車として初採用したことが話題となった。このほかにもホンダは、埼玉県との「ソーラー水素ステーションの実証実験」や北九州市との「FCXクラリティからの家庭への電力供給の実証実験」など、各自治体と連携した様々な燃料電池車を用いた実証実験にも積極的にも取り組んでいる。

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ホンダは、かねてより化石燃料の代替、排出ガスの削減、地球温暖化への影響の低減という観点から、燃料電池を将来の究極のクリーンパワーととらえ、積極的に開発を推進中だ。今後も非常時に有用な外部給電機能という新たな価値を備えた燃料電池電気自動車の普及と、クリーンで持続的な水素社会の実現に取り組んでいくという。

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