4月初旬、予定より早く鳥取市内に到着したので鳥取城へ寄ることにした。鳥取城跡がある久松(きゅうしょう)山の頂きは市街地からも見える。
羽柴秀吉による「兵糧攻め」の舞台となった城として知られる鳥取城。天守台のほか、石垣や堀が遺構として残り、復元された城門もある。
鳥取城の跡地は「久松公園」として整備され、春にはソメイヨシノを中心に240本余りの桜が美しく咲き乱れ「日本さくらの名所100選」にも選ばれている。
水堀の周りの桜は既に満開になり、麗らかな春の装いで訪れる人を迎えていた。
北ノ御門跡から鳥取城跡へ入る堀を渡ると「桜まつり」が開催されているらしく屋台が店支度を始めるところだった。
その先左手に鳥取県立博物館が、右手に仁風閣(じんぷうかく)が建っている。
仁風閣は明治40年に、旧藩主池田家の別邸として建てられたフレンチルネサンス様式の白亜の洋館。時の皇太子殿下(大正天皇)の宿舎として御殿跡に建てられた国指定重要文化財。
復元された西坂下御門を潜り抜け、石階段を上ると桜の花越しに仁風閣が見下ろせる。
「城郭の博物館」とも称され、戦国時代から江戸時代にかけて様々な時期の遺構が残る鳥取城。
久松山の山麓にあたる山下ノ丸(さんげのまる)の二の丸跡や国内唯一の球面石垣のある天球丸跡などを散策しながら鳥取の街を眺める。
各所にぼんぼりが下げられているが、夕刻には灯がともり幻想的な景色になることだろう。
久松山の山頂にあたる山上ノ丸(さんじょうのまる)へは険しい山登りとなるが、登頂すれば鳥取砂丘や日本海も見えるそうだ。東には羽柴秀吉が兵糧攻めのため約100日間指揮に当たった本陣「太閤ケ平(たいこうがなる)」が見え、鳥取城本丸跡からもルートが通っている。
鳥取城跡の圧倒されるような量の石垣と桜の花はよく似合う。
鳥取城跡へのアクセスは鳥取駅から100円循環バス「くる梨」緑コース約7分、「仁風閣・県立博物館」バス停下車すぐ。
所在地:鳥取県鳥取市東町2
(小椚萌香)