「越前海岸 はまゆう 松石庵」で越前がにと、かけ流し温泉を楽しむ旅

冬の味覚、カニを目当てに福井県の越前に出かけた。

雲の間から日も射していたが強風が吹き、海はザブンザブンと音を立てて時化ている。冬の日本海らしい荒波が胸に迫る。

宿泊先の「越前海岸 はまゆう」は本館と新館の松石庵からなり、越前海岸沿いに建っているので海側の部屋と大浴場から日本海が一望できる。

宿に入るとロビーをはじめ全館の床は足に優しい畳み敷き。館内を素足で歩ける心地よい感触が嬉しい。

エレベーターの扉には大きな波と波が砕けるようすが画かれており、エレベーターの中も畳み敷きである。

客室は松石庵特別室2室、松石庵9室、本館8室の全19室で、松石庵は全室源泉かけ流しの半露天風呂付。

宿泊した松石庵の部屋と半露天風呂はまさにオーシャンフロント。日本海が一望でき、旅情をたっぷり堪能できる。

大浴場から夕日が沈むのが見えるとのことで、時間を見計らい本館にある大浴場へ赴く。

お湯は柔らかでとろりとした感触。肌がすべすべになることから「美人の湯」として知られる。婦人の浴場から少しばかり建物が遮る部分があるが、夕日が空と海を赤く染めて沈んでいく景色も楽しめた。

お風呂上りのポカポカが止まないうちにいただく夕食にはキンと冷えたビールが一段と美味しい。

茹でがには福井県の越前漁港で水揚げされた越前がにに付けられる識別マークの黄色のタグが付き、ひとりにつき一杯。

越前がに漁は漁場まで近いため日帰り漁で水揚げ、生きたままの越前がにを調理するので新鮮で美味しいのだそう。

焼きがにやかに鍋、かに茶碗蒸し、かに雑炊など、ふっくら身の詰まった甘いカニと、豊富な海の幸を堪能させてもらった。

就寝前には海を見ながら部屋の温泉風呂の湯浴みを楽しみ、小腹が減れば夜食用にと用意されたおにぎりをほおばり、波の音を感じながら眠りに落ちた。

 

住所:福井県丹生郡越前町茂原5-40-1

越前海岸 はまゆう:http://hama-u.jp/

 

(小椚萌香)