メルセデス・ベンツのハイパフォーマンス・モデルを手掛けるメルセデスAMGの業績が好調だ。
2012年に「AMGパフォーマンス50」戦略を打ち出し、設立50周年にあたる2017年に年間2万台から3万台体制へと拡大する高い目標を掲げたばかりだが、なんと翌年には目標を達成。ラインナップ数も30車種以上に拡大する予定だが、まだ出そろうまでに至っていない状況にもかかわらず約3万2000台のセールスを記録。メルセデスAMGのトビアス・メールス会長は、「2013年はAMG史上、最強の1年。予想を超える成長を達成した」と語るように、今後さらなる飛躍が期待できるだろう。
先ごろ開催されたジュネーブで新型Sクラスクーペ(W222型)がワールドプレミアを迎えたばかりだが、このモデルに早くもAMGが設定されNYモーターショーで披露された。北米はAMGの総生産台数の20%を占める最大のマーケット。それゆえに注目度も高い。
『S63AMGクーペ』は5.5リッターの排気量をもつV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力593ps/5,500rpm、最大トルク900Nm/2,250-3,750rpmを発生する。トランスミッションはAMGスピードシフトMCT7と呼ばれる7速ATで0-100km/h 加速はFRが4.3秒、AWDが3.9秒を実現している。ちなみにストックのS550クーペ(EUではS500の車名)が4.7リッターの排気量から最高出力461ps、最大トルク700Nmを得ているので、そのパフォーマンスの差は圧倒的だ。また、サスペンションも専用のチューニングが施される。
AMGのDNAともいえる『ワン・マン、ワン・エンジン』は新世代AMGにおいても健在だ。ひとりのエンジニアが1基のエンジンを最初から完成まで担当し最高のパフォーマンスを引き出すことを意味する言葉だが、この“家訓”ともいえる クラフトマンシップを失わない限りAMGはいつまでも支持され続ける。