102歳のフォトジャーナリスト笹本恒子(ささもと・つねこ)さんの
名前がつけられた日本写真家協会が主催する「笹本恒子写真賞」。
「時代を捉える鮮鋭な眼と社会に向けてのヒューマニズムな眼差しに支えられた業績」を顕彰し、その精神を引き継ぐ写真家の活動を支援することを目的として設けられた。
今回、第一回の受賞者として1992年頃から子連れでアイヌ民族の取材を行い、撮り続けてきた宇井眞紀子さんに受賞が決定。
受賞記念展として、『アイヌ、現代の肖像』がフォトギャラリー「シリウス」にて開催中である。
選考委員のひとりであり大石芳野さんは選評として次のように述べている。(抜粋)
「第1回受賞者の宇井眞紀子さんは25年以上にわたってアイヌを撮り続けている。北海道ばかりではなく日本各地に住む彼らを訪ねて、丹念に付き合いながらレンズを向けてきた実績が写真から伝わってくる。報道写真は先ずは対象を撮るだけで重要な役割を果たすのだけれど、同じように奥深いところまで汲み取った表現がいかにできるかも大事な要素と言える。そういったことから考えても宇井さんの写真には、アイヌ民族が抱え込まされた理不尽さと同時に伝統的な祀や文化の輝かしさもしっかりと描かれている。何よりもモノクロームのトーンの美しさがアイヌの人たちの表情に重なって、一見、地味に見えるものの実に奥深い写真に出来上がっている点も評価した。」
1枚の写真にある数々の人間ドラマを是非体感してほしい。
【日時・会場】
会場:アイデムフォトギャラリー[シリウス]
(東京メトロ丸ノ内線 新宿御苑前駅徒歩1分)
新宿区新宿1- 4-10 アイデム本社ビル2F
期間:2017年12月14日(木)~12月20日(水)
開館時間:10:00~18:00(最終日は15:00まで)
休館日:日曜日
入場料:無料
(Y.FUKADA)