伝統を超え、時代とともに変化する“工芸”の新たなかたちが京都に集う。11月15日(土)から18日(火)まで、妙顕寺を舞台に開催される特別展「超適応2:新しい時代の工芸と表現」では、古き良き技を現代の美意識で再構築するアーティストたちの作品が並ぶ。
文化の都・京都が、進化する芸術の中心として再び息づく瞬間だ。

昨年の「超適応 新しい時代の工芸と表現」の会場風景
変わりゆく時代に“適応”する美意識
「超適応2」は、京都市とArt Rhizome KYOTO実行委員会による特別企画展だ。
本展が表現するものは“適応”。それは単なる伝統の継承ではなく、変化を受け入れながら新たな表現へと昇華する創造の力を意味する。展示される作品群は、伝統的な素材・技法・技術・モチーフを新しい視点で再解釈し、革新的な発想から生み出されている。
会場は、日蓮宗の大本山・妙顕寺。静謐な寺院の空間に、現代の作家たちが生み出す前衛的な作品が並ぶ。伝統と革新、静寂と躍動、そのコントラストが京都という土地の深層を映し出す。ここでは、古と今が交差する“美の臨界点”を体感できる。
京都から世界へ──アートが繋ぐ“文化の根”
本展を企画するのは、現代美術キュレーター金澤韻と、アートプロデューサー増井辰一郎を中心としたコダマシーン、そしてFINCH ARTS、gallery Unfoldのチーム。建築、デザイン、現代アートの各分野に精通する彼らが手がける展示は、単なる作品発表の場を超え、文化的対話の場としての深みを備えている。

昨年度の展示風景
また、この展覧会は京都市内10会場で展開されるARK2025『逆旅京都(げきりょ きょうと)2』とも連動している。宿泊施設やカフェなど、日常の空間にアートを溶け込ませる試みは、京都という都市のあり方そのものを“生きた美術館”へと変貌させる。
観る人がアートを通じて京都を“感じる”体験。それがこの企画の真髄にある。
“静の京都”に響く、創造の鼓動
展示タイトルにある「超適応」という言葉が象徴するのは、過去を踏まえながら未来を創造する力だ。伝統的な技を受け継ぐだけではなく、時代の空気や社会の変化を柔軟に取り込み、新しい文脈へと接続していく。その姿はまさに、現代を生きる表現者たちの哲学そのものである。

昨年度の展示風景
「超適応2」は、その“変わりながら残る”という京都の精神を体現する展覧会となるだろう。
「超適応2:新しい時代の工芸と表現」
会期:11月15日(土)〜18日(火)
会場:大本山 妙顕寺「CURATION⇄FAIR Kyoto」会場内特設スペース
所在地:京都府京都市上京区妙顕寺前町514
公式サイト:https://artrhizome.kyoto/kw_hyperadaptation2
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000148140.html
(Fumiya Maki)
※入場にはCURATION⇄FAIR Kyotoのチケットが必要