湯けむりの町・別府の鉄輪(かんなわ)温泉のシンボルのひとつとして親しまれている登録有形文化財「旧冨士屋旅館」庭園内に、「冨士屋ホテル」が7月12日(土)に開業。公式サイトから予約の受け付けを開始した。
滞在中の“体験”を重視したハイエンドなライフスタイルホテルで、地熱の恵みによるサステナブルな食や温泉を通して「湯治」をしよう。
古くからの湯治の文化が魅力的な「鉄輪温泉」
「鉄輪温泉」は、大分県の別府八湯のひとつで、湯けむりにつつまれた街。
繁華街から少しだけ離れたこの場所は、レトロな街並みが残る温泉街だ。古くから湯治の文化があり、長期滞在者たちは米や野菜を持ってきては交換したりとにぎやかだったという。
「鉄輪温泉」は、そんな文化を現代にうまく変換し、新しい湯治のかたちを表現しつづけている。
126年の歴史を持つ文化財が宿として再開
明治32年築の登録有形文化財「旧冨士屋旅館」は、別府で唯一現存する明治の旅館建築だ。
この建物の価値と、鉄輪地域の食、温泉、暮らしに基づく「湯治」を、滞在してきちんと体験してほしいという思いから、代々続いていた姿である「宿」を30年ぶりに再開することになったという。
サステナブルな工法を用いた建築
「旧冨士屋旅館」の庭園内に新しくオープンする「冨士屋ホテル」は、大分県で初となるCLTパネル工法による宿泊施設だ。国産木の特性を生かしながら、通気性と断熱性の双方を持ち、再利用可能である点が興味深い。
地熱によるサステナブルな生活が根付く鉄輪エリアの未来のまちづくりを見据え、同工法を採用したという。
地熱の恵みを実際に体験できるホテル
同ホテルでは“Living Hotel”をコンセプトに、「地獄蒸し」や「むし湯」をはじめとする鉄輪のサステナブルな日常を、こだわったしつらえの中で体験できる。
例えば、“蒸す”をとことん追求した「地獄蒸しキッチン」では、長年研究している「50度洗い」「低温スチーミング」の技法で、初めてでもワンランク上の地獄蒸し料理が作れるようになっている。
「湯治」がゆったりと楽しめるこだわりの客室
同ホテルの客室は全部で17室。
なかでも 「冨士屋リビングスイート」(1泊1室11万8000円~)は、同ホテルのコンセプトを最も体現した部屋となる。
窓から湯けむりと別府湾が見える部屋の中には、檜風呂にミニキッチン、そして九州初導入となるオーストリア・RELAX社のウッドスプリングベッドを導入した。
そのほかにも、一人でも気軽に過ごせる「Toji ROOM」(1泊1人18,000円〜)など、さまざまなタイプの部屋を用意している。
大分の文化に触れるワークショップ
「旧冨士屋旅館」では、文化の発信・交流の場として、大分の名工・アーティストによるワークショップや展覧会を行ってきた。
新しいホテルには、土壁や湯籠、食器、香りに至るまで、空間のすみずみに大分を感じるしかけがあり、実際に使用して購入もできる。
また、伝統工芸士による竹工芸ワークショップも定期開催する予定だ。
温泉を堪能しつつ、鉄輪温泉での湯治文化を体験してみては。
冨士屋ホテル
開業日:7月12日(土)
所在地:大分県別府市鉄輪上1組(旧冨士屋旅館 庭園内)
公式サイト:https://kannawa-fujiya.com
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000163204.html
(田原昌)