世界で活躍する建築家・安藤忠雄氏の大規模個展「安藤忠雄展|青春」が、3月20日(木・祝)より大阪市北区にある「グラングリーン大阪」内の多目的施設「VS.(ヴイエス)」で開幕した。
同展示は、安藤氏が半世紀以上にわたり積み重ねてきた建築の軌跡を振り返るとともに、進行中のプロジェクトや展望を紹介するものだ。安藤氏の建築思想と挑戦の歴史を一堂に集めた貴重な機会となる。

©安藤忠雄展|青春 2025
圧巻の展示内容
展示では、約60件の建築プロジェクトや、230点以上のスケッチ・ドローイング、模型を通じて、安藤氏の建築哲学と挑戦の歴史を体感できる。会場外には、本展のテーマ「青春」を象徴する直径2.5mの「青りんご」のオブジェが設置され、詩人サムエル・ウルマンの詩と安藤氏のメッセージが刻まれている。「人間も建築も、いつまでも青いまま、挑戦心にあふれていたい」という安藤氏の想いが込められた作品だ。

©安藤忠雄展|青春 2025
多彩な展示エリア
本展は約1,400平米の地下空間に広がる二つのゾーンで構成されている。それぞれのゾーンには特徴的なインスタレーションが含まれており、安藤氏の建築に対する情熱と哲学を視覚的に体感できる。
「挑戦の軌跡」エリア
1969年からのキャリアを振り返るこのエリアでは、建築写真家リチャード・ペア氏が選んだ写真や、安藤氏の代表作「住吉の長屋」「六甲の集合住宅」などの模型が展示される。また、インスタレーション「水の教会」では、北海道にある「水の教会」の空間をパノラマ映像と水盤で再現し、来場者がその建築空間を疑似体験できる。さらに、「大淀のアトリエⅡ」のコンクリート模型が展示され、安藤氏の創作の原点に触れられるだろう。

©安藤忠雄展|青春 2025
「安藤忠雄の現在」エリア
このゾーンでは、安藤氏の最新プロジェクトを紹介。「つくる/育てる」「都市ゲリラ2025」「大阪から」などの6つのテーマで構成されている。最新の取り組みとして瀬戸内海のこども図書館船「ほんのもり号」も紹介される。

©安藤忠雄展|青春 2025
映像インスタレーションでは、「光の教会」「真駒内滝野霊園頭大仏」「ブルス・ドゥ・コメルス」の空間を、天井高15mのスクリーンで没入体験できる。安藤氏の建築が持つ空間の魅力を、映像技術を駆使して表現したダイナミックな展示で楽しめる。

©安藤忠雄展|青春 2025
オープニングセレモニーと安藤氏のメッセージ
3月19日(水)に開催されたオープニングセレモニーでは、本展のテーマ「青春」を象徴する青りんごが手渡される演出があり、会場は期待に満ちた雰囲気に包まれた。安藤氏は「大阪から日本を元気にしたい」との意気込みを語った。

©安藤忠雄展|青春 2025
安藤氏の建築哲学と挑戦の軌跡をたどる貴重な機会。建築に興味のある人はもちろん、日本の文化や都市再生に関心のある人にも足を運んでほしい。安藤氏が描く未来のビジョンを体感してみてはいかがだろうか。
安藤忠雄展|青春
会期:3月20日(木・祝)~7月21日(月・祝)
会場:VS.(グラングリーン大阪内)
所在地:大阪府大阪市北区大深町6番86号グラングリーン大阪うめきた公園 ノースパーク
休館日:毎週月曜日(月祝の場合は営業)
開館時間:10:00~18:00(金・土・祝前日は 20:00まで)
入場料:一般 1,800円
チケット詳細ページ:https://vsvs.jp/exhibitions/tadao-ando-youth/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000148435.html
(Fumiya Maki)
©安藤忠雄展|青春 2025