篠田烈(しのだたけし)氏の写真展「駅Ⅲ」が、東京都新宿区のフォトギャラリーシリウスにて、1月23日(木)~1月29日(水)の期間に開催する。
同氏はこれまで2回にわたり写真展「駅」を開催。3回目を迎える今回はその総まとめという意味をもつ。篠田氏がファインダー越しに表現する「駅」の残像を鑑賞しよう。
写真展「駅」の総まとめと位置付ける展示会
昨今、首都圏の駅前における再開発により、街はもとより駅そのものを新たにつくり直したり、リニューアルしたりという動きが頻繁に見られる。
篠田烈氏は、新型コロナウイルス流行前の2018年から首都圏のJR、私鉄などの駅とその周辺を撮影している写真家だ。
同氏は、学生時代に利用した昭和の駅には、所々煙草の吸殻や読み捨てられた新聞紙が落ちていたと追想する。
そして、打って変わって清潔になった現在の駅は、ごみはおろか匂いもしない。ただ、そんな駅にもここかしこに記憶のかけらのようなものが残っていて、ふと昔に帰ることがあると述べる。
同氏は過去の写真展「駅」で、こうした駅の残像を拾い集め撮影してきた作品を展示。1月23日(木)~1月29日(水)に開催する写真展「駅Ⅲ」は、その総まとめと位置付けている。
記憶の遺跡である駅を考古学者のようにたどる
篠田烈氏は、1953年埼玉県生まれ。1988年に鳴門教育大学修士課程にて江藤隆介氏よりモノクロ写真の手ほどきを受ける。2013年から、暗室作業を本格的に開始した写真家だ。
同氏は、「東京の古い駅はそれぞれ異なる表情を持っている。クリーム色に塗装された鉄や木材の表面には積み重なった染みや手あかのような汚れが見える。プラットフォームに立ち列車を待つ人々の何気ないまなざしは様々な構造物の表面に昔から注がれてきた。」
そして、「まなざしに限らず息遣いやぬくもりまでもここには漂っているようだ。いわば人々の記憶の遺跡である駅を考古学者のようにたどってみた。」と写真集『駅』で語っている。
東京に暮らし駅を利用したことがある人なら、誰もが篠田氏がファインダー越しに覗いた駅の記憶を、心の片隅に持っているのではないだろうか。
ゼラチンシルバープリント約40点にて構成される、篠田烈 写真展「駅Ⅲ」を鑑賞すれば、そんな駅の情景を通して自分だけの何か懐かしい物語が始まるかもしれない。
篠田烈 写真展「駅Ⅲ」
開催場所:アイデムフォトギャラリーシリウス
所在地:東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
会期:1月23日(木)~1月29日(水)
公式サイト:https://www.photo-sirius.net/tenji/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001504.000002663.html
(高野晃彰)