人類史における法の進化を俯瞰する壮大な一冊「法の人類史──文明を形づくった世界の秩序4000年」が、河出書房新社から刊行された。
この書籍は、オックスフォード大学法人類学教授フェルナンダ・ピリー氏が手がけた著作で、法の起源から現代の国際法まで、法の役割と意義を多角的に探る内容となっている。
4000年にわたる法の変遷を凝縮
「法の人類史」は、国家の法だけでなく、宗教、商業、そして地域社会の慣習法にまで視野を広げ、法がどのように文明を形づくり、秩序を保つ役割を果たしてきたかを明らかにする。古代ハンムラピ法典から現代の国際法までを網羅し、4000年にわたる法の変遷を一冊に凝縮している。
著者のピリー氏は、ロンドンの法曹界で10年近く弁護士として活動した後、法人類学の第一人者としてオックスフォード大学で教鞭を執る人物だ。本書では、法を通じて文明がどのように秩序を形成し、同時に権力に抗う手段として機能してきたのかを説き起こしている。
法の役割を再考するための一冊
序章「法の約束」でピリー氏は次のように述べている。
「法はけっして単なる規則の集まりではない。法は文明の複雑な地図をつくりだしてきた。法の支配には歴史があり、法とは何か、法は何をするのか、法はいかにして社会をよい方向に、あるいは悪い方向に導くのかを真に理解するために、わたしたちはその歴史を知る必要がある」
本書は、「なぜ人類は法を生み出したのか」「法はいかにして文明を構築したのか」など、法の本質を考え直す問いを投げかける。そして、法が秩序と文明を築く手段として機能し、同時に権力の道具でありながら抗うための手段でもあったことを示している。
世界中で絶賛される「法の人類史」
「法の人類史」は、世界中で高い評価を受けている。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は「これまで知られることのなかった法の魅力を存分に味わわせてくれる」と絶賛。さらに、「タイムズ文芸付録」や「フォーリン・アフェアーズ」でも注目を集めている。
法を通じて文明を見つめ直す
法を通じて人間社会の成り立ちを解き明かす「法の人類史」、法人類学の分野だけでなく、歴史や社会科学に興味を持つ幅広い読者にとっても必読の一冊だ。
古代から現代に至るまで、法がいかにして社会を築き、変革を促してきたのかを知る旅に出よう。
法の人類史──文明を形づくった世界の秩序4000年
著者:フェルナンダ・ピリー
訳者:高里ひろ
発売日:販売中
税込価格:5,940円(本体5,400円)
出版社:河出書房新社
河出書房新社 公式サイト:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309231655/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000856.000012754.html
(山之内渉)